当ブログでは久しぶりとなる、関西大手私鉄の話題です。管理人はこのところ「関西私鉄欠乏症」が重症化しており、重度の禁断症状を発症中。それでも何とか資金的なめどはつき、おおさか東線完乗を含めた関西訪問を画策していたものの、最近の諸事情により見合わせとなりました。 …管理人の…… more 事情はさておき。 阪神では半世紀以上にわたって親しまれた「赤胴車」「青胴車」。阪神では伝統的に急行系列車用と各停用で系列を別けていて、「赤胴車」は急行系列車用、「青胴車」は各停用。最近は「赤胴車」も本線での営業運用がなくなって武庫川線で細々と稼働するのみとなり、「青胴車」も徐々に勢力を縮小しているところですが、このたびこれら「昭和の阪神」を象徴する両者について、遂にタイムリミットが明らかになりました。 さよなら阪神の赤胴車、青胴車 昭和のツートンカラー完全引退へ 高度経済成長期から阪神沿線を彩り、６０年以上親しまれてきたツートンカラーのベテラン車両が引退することが分かった。クリームと赤の色使いから「赤胴車」、同じく青の「青胴車」と呼ばれる阪神電気鉄道（大阪市）の車両で、老朽化のため、２０２３年度までに順次運行を終える。「赤胴車」は１９５８（昭和３３）年から用いられた。外装の上半分がクリーム色、下半分が赤色で、国民的人気の漫画キャラクター「赤胴鈴之助」にちなみ愛称が付いたという。（中略）青胴車は赤胴車導入の翌５９年に登場。本線と西大阪線の普通用車両に使われ、今も本線を走る。加速・減速の性能が優れていることから「ジェット・カー」とも呼ばれる。（後略） （神戸新聞NEXTより） 遂に「赤胴車」「青胴車」消滅ですか…。 管理人が子供のころ、私鉄の絵本などには阪神の「赤胴車」が描かれていました。しかもその車両は正面に「特急」のマークを誇らしげに掲げた姿。恐らく7801形だったと思いますが、関西には通勤車でもこんなにかっこいい車両が走っているのだ、と思ったものです。新造車両としての「赤胴車」は8000系が最後となり、それも同系のリニューアルに際してカラーリングが変更されたため、本線を走る「赤胴車」は平成27(2015)年に消滅しました。 最後の本線を走る「赤胴車」だった8000系（平成26年3月に撮影） その後は武庫川線用に少数の「赤胴車」が残り、同線をのんびり走っていたものです。 武庫川線に残るのみとなった しかし、武庫川線で余生を送っていた「赤胴車」も、遂に今年限りで（※）退役することになりました。いくら支線の軽い運用とはいえ、新造後40～50年が経過していることから、老朽化が無視できなくなったということでしょう。なお、武庫川線用の代替車両としては、5500系4連1本を2連2本に改造し（中間車2両を先頭車化改造）、今年の5月末から運用に投入するということです。 ※　上記神戸新聞NEXTの記事によると令和5(2023)年に退役するように読めるが、別の報道では「赤胴車」は今年中に退役するとのことである。 そして、高加速・高減速を誇り、逃げ足の速さで優等列車の速達性を維持してきた「ジェットカー」こと「青胴車」も、3年後をめどに退役することになりました。 こちらも退役する こちらはまだ本線系統で32両が活躍していますが、やはり古さは否めず、それ故に早期に退役させるということです。「青胴車」が全車退役すれば、阪神の各停用車両は、5500系以降のVVVFインバーター制御車両となります。そうなればエネルギー効率は格段に向上することになるでしょう。VVVFインバーター制御は、発進・停止の機会が多ければ多いほど、省エネ効果が高いからです。「赤胴車」「青胴車」が退役すると、「昭和の阪神」のイメージを持つ車両は完全に消滅しますが、同時に阪神のVVVFインバーター制御車の割合が格段に上昇することになります。3年後にはVVVFではない車両は8000系のみとなりますが、ことによると、阪神が関西大手私鉄では初めて「営業用車両の全車両VVVFインバーター制御車化」を達成するかもしれません。 ともあれ「昭和は遠くなりにけり」ですな…。 ◇関連記事№2752.かつての「赤胴車」の楽園～阪神武庫川線をゆく7860形№2759.阪神の名脇役・「青胴車」の今 ※　当記事で使用している写真は、全て以前の記事からの転載です。 close

5079.【赤は今年限り】消える昭和の阪神～「赤胴車」「青胴車」退役へ【青は3年後】