Photo1／河内の森駅付近で写生をする小学生たち。後方の築堤を京阪・交野線が走っている（1980年4月／モノクロネガで撮影）西高東低の気圧配置が崩れ、大陸からの移動性高気圧が日本列島を駆け抜けるようになるころ、生駒山地の山麓に広がる交野（かたの）の水田地帯は一 面の花化粧（はな…… more げしょう）におおわれる。田んぼに敷きつめた紫のじゅうたんはレンゲソウ。それを縁（ふち）どる黄色い刺しゅうは、あぜ道に咲いたタンポ ポの花だ。昭和4年（1929年）4月、枚方市（ひらかたし）―私市（きさいち）間6.9キロが信貴生駒電鉄として開通した。この10年後には、交野村と磐船（いわふね）村が合併して交野町が誕生。鉄道も1944（昭和19）年に京阪電気鉄道に合併され、京阪交野線となった。大阪の近郊都市に発展した交野市だが、私が訪れた1980年当時は、まだまだ田園風景が広がり、国鉄片町線（当時）と立体交差する河内森駅付近では、小学生たちが田んぼの中を走る電車を写生する場面に遭遇した。スケッ close

写生の題材／京阪交野線