他にネタもないので、引き続き、家ごもりでのＤＶＤ鑑賞の話題を。　臨時特急「北斗６１号」と聞いて、すぐにその列車の内容が分かる方はどれぐらいいらっしゃるだろうか。言うまでも無く、特急「北斗」は函館駅と札幌駅を結ぶ特急列車だ。　国鉄の分割民営化で発足したＪＲ北海道は、鉄道の生き残り…… more を高速化に賭けて、振り子式の高出力気動車を導入した。その成果として、特急「スーパー北斗」の最速列車は函館駅と札幌駅を２時間５９分で結び、１００キロ超えの表定速度は在来線特急のトップに躍り出た。　しかし、２０００年春に有珠山が噴火し、経路となる室蘭本線（通称：海線）が使えなくなった。しかし、道内の大動脈を止めるわけにはいかず、特急列車は函館本線（通称：山線）経由で運転された。北斗６１号は、この迂回運転列車の一本で、その前面展望を記録したＤＶＤが本作だ。　本作は２枚組で全行程を収録しており、１枚目は函館駅から長万部駅までを通常通り爆走運転。２枚目が迂回運転ルートとなる長万部駅から札幌駅までで、カーブと勾配が続く山線ルートゆえ、さすがの高性能気動車もおとなしく走る。　それでも全区間の所要時間は４時間ほどだから、当時、キハ１８３系で運転されていた海線まわりの特急列車と同レベルなのに感心してしまう。　山線ルートは高速運転には向かないが、沿線風景は美しい。山間部でも、線路際まで崖が迫るというような区間はなく、北海道ならではの雄大な風景が展開するのを楽しめる。　山線区間は二度ほど乗っている（もちろんローカル列車）が、単行かせいぜい２連で、しかも列車本数が少ないので小樽駅から倶知安駅までは結構混雑する。車内が都市部のラッシュ時並みとなる区間もあり、落ち着いて車窓に浸っていられなかった思い出がある。　それにしても、有珠山の噴火がもう２０年前になるとは、歳月の経過の速さに驚くばかりだ。 close

臨時特急「北斗６１号」のＤＶＤ