東武鉄道では2017年8月10日より、鬼怒川線下今市～鬼怒川温泉間で『SL大樹』の営業運転を開始しましたが、その後、牽引する蒸気機関車C11207号機が何度か故障した際には、ディーゼル機関車DE101099号機が代走する『DL大樹』が運転されました(2017年9月30日が初の代…… more 走)。 　首都圏の他の鉄道会社におけるSL列車･観光列車の代走運転としては秩父鉄道のパレオエクスプレス号→ELパレオエクスプレス号、いすみ鉄道の観光急行列車(キハ)→ムーミン列車代走があります。両社ともに、今回のDL大樹と同様の故障等による代走運転が実施された事はありますが、最近ではSLが運行されない時期に予め電気機関車を使用した列車の運行を計画(秩父鉄道)したり、検査等の理由で事前予告がなされた上で代走運転される事(いすみ鉄道)の方が多いです。 　SL列車･観光列車の代走運転では、本来の使用車両による運行時と比べて乗客が減少している様に感じますが、特にSL列車をSL以外の機関車で代走した場合の減少幅が大きく、鉄道マニア以外の一般の方がDLやELに魅力を感じにくいため、最悪の場合、乗車をキャンセルされてしまうケースもあります。SL大樹のSL貸出元であるJR北海道が運行するSL冬の湿原号のDL代走時には実際に多くのキャンセルが発生していました。 　2017年11月11日のSL大樹がSL故障によりDL大樹として運行され、DL大樹6号に乗車しましたがSL運休の影響が大きいようで、私が乗車した2号車では座席が1～2割程度しか埋まっていませんでした。運行開始初年度から故障による運休が多い様な気がします。また、6号の運行時間帯もありますが、他社の代走時よりも利用者が少ないと思います。その状況でも車内サービスはSL運行時と同じなので、多くのスタッフが乗車しています。東武鉄道の場合、下今市駅までのアクセスに同社の特急スペーシア、リバティなども利用され、更に日光･鬼怒川･会津の宿泊とSL乗車をセットにした旅行商品を系列の東武トップツアーズで販売していますので、旅行自体をキャンセルされた時の影響が大きく、代走時の乗客減少への対策を考えないと、地域経済への波及効果どころではなくなり、列車そのものの存続も危うくなる気がします。 　いすみ鉄道では一般人･キハ目当ての方を中心とした鉄道マニア･ムーミンファン･スイーツ好きなど幅広い客層を取り込める様にしていますし、秩父鉄道ではSL･ELではない通勤型電車を使用してでんしゃdeマルシェを開催し、SL以外の観光列車のあり方を模索しているようで、車種に限定されずに集客するための対策を考えています。ここで例にあげた他社の列車は、起点から終点まで乗り通すと乗車時間が1時間を超えるのですが、SL大樹・DL大樹では40分弱と非常に短くなっています。改善すべき点があるとすれば、途中で運転停車を実施、起点駅や途中駅でマルシェの実施等により乗車時間･車内滞在時間を長くして、SL運休による魅力減少をカバーするイベントを実施したほうがよいのではないかと思いました。また、そろそろSL以外のDLやELが牽引する客車列車自体が非常に貴重であることを一般の方々に知ってもらう活動をSL･客車とELまたはDLを保有している鉄道事業者が連携して行うべきだと思います。 【料金券】 《鬼怒川温泉駅発行 DL大樹6号 座席指定券(2017年11月11日)》 　DL大樹としての運行時は、大樹の運行区間内にある有人の停車駅(下今市駅と鬼怒川温泉駅)でしか座席指定券を発売しない様です。なお、通常のSL運行時の機械発券ではなく、大樹車内や東武ワールドスクウェアで発行されるSL大樹･DL大樹用の○付け式の券を使用しています。鬼怒川温泉駅ツーリストセンターでの硬券販売は代走時にはありません。 　列車名･金額がSL牽引時と異なっています。他に変わっている点としては、普段は機械発券しかしない駅のゴム印が発行駅として押されていることくらいでしょう。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【乗車記念品】 《鬼怒川温泉駅 DL大樹カード(2018年4月21日収集)》 　この日のSL大樹は『SL大樹 ｢東武ワールドスクウェア開園２５周年記念列車｣』として運行予定でしたが、残念ながらSLの故障によりDLにて運転されました。鬼怒川温泉駅でDL大樹運転時に希望者に配布しているカードの表面と裏面です。 《DL大樹記念乗車証(2020年8月23日～)》 　SL大樹･DL大樹の記念乗車証は、2020年8月8日～2021年3月31日の予定でSL大樹を中心とした新プロモーションのイメージタレントに就任した女優･門脇麦さんのデザインに変更されました。但し、定期運行のDL大樹がダイヤ改正当初から運休中のため、2020年8月23日時点ではクラブツーリズムが催行したツアー『DE10北斗星カラーデビュー記念 東武鉄道をほぼ1日満喫する旅』の参加者のみ、DL大樹7号および8号分が入手可能となっています。裏面には日付と列車名の丸いスタンプが押されます。なお、『日光・鬼怒川エリア鉄道乗り放題きっぷ』についても2020年8月10日から裏面が門脇麦さんのデザインに変更されています。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 【写真･乗車記(2017年11月11日)】 　写真左は鬼怒川温泉駅改札前に掲示されていたディーゼル機関車による代走運転とSL座席指定券の取り扱いに関するお知らせ。 　写真右は鬼怒川温泉駅発車前のDL大樹6号。通常のSL大樹6号においても夜汽車の雰囲気を楽しめる、とても良い列車です。アテンダントや車内販売員の方々は通常通りに接客を行っていました。客車のヘッドマークは赤色でしたが、夜間で上手く撮れませんでした。 　鬼怒川温泉駅改札上の案内表示。DL大樹になっています。 　同駅の改札内の案内表示も同様。 ※2018年01月03日掲載(本文、座席指定券、写真) ※2020年06月02日更新(DL大樹カード) ※2020年09月01日更新(2020年8月記念乗車証) 【関連記事】 《関連列車》 　東武鉄道 SL大樹 　東武鉄道 SL大樹｢東武ワールドスクウェア開園25周年記念列車｣ 　東武鉄道 ドリームカー 　東武鉄道 新DL大樹(DE10形1109号機) 　東武鉄道 DE10北斗星カラーデビュー記念 東武鉄道をほぼ1日満喫する旅 close

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