昨日の記事で話題にした「近鉄電車写真集６」に収録されている車両たちの画像を探してみたのだが、見つかったのはごくわずかだった。何せ、東京在住の身だし、当時はまだ１０代。関西遠征自体が貴重な機会だったし、高価なフィルムを節約しなければならないので、どうしてもレンズを向けるのは特急車…… more になってしまう。ちょうど１０１００系ビスタカーが最後の活躍をしている時代でもあり、そちらの追っかけをしていた。　だから見つかった写真は、かろうじてマルーン一色塗りでもほとんどが冷房改造後の姿。既に二色塗りも始まっている。撮影時期もバラバラで大した写真はないが、ご笑覧いただければと思う。　冒頭の写真２枚は９００系。新生駒トンネルの開通によって車両限界の制約がなくなった奈良線に初めて登場した大型車だが、冷房化だけでなく前面に行先表示器を追加しているのでお顔のイメージが変わっている。　１枚目はデビュー時の塗装を再現した復刻車。ベージュに青帯を締めた明快なもので、この塗装は良かったと思う。ちなみに近鉄の色合いはベージュというより、肌色といった方が感覚が合うのだが、最近は差別用語になるとかで使わないらしい。最近の世の中の風潮は、時折ついていけないものを感じる時がある。　マルーン一色塗り時代を撮っていたのがこちら。　名古屋線用の１８１０系、奈良線用の８４００系。かろうじて側面だけ写っていたのは大阪線用の２４１０系で、冷房改造前のラインデリア時代の屋根上が分かる。　非冷房で製造された通勤車は、その後の新製冷房車に比べて屋根のカーブが浅いのが特徴で、正面から見た時の印象が異なる。　こうして並べて見ると、近鉄の通勤車はいずれも前面窓に青ガラスが使われている。個人的に模型でも再現したいポイントだ。（続く） close

近鉄の初期高性能通勤車　その１