5497.準特急とよばれて~185系物語 その13 遂に始まった勢力縮小・波動用への転用の詳細

5497.準特急とよばれて~185系物語 その13 遂に始まった勢力縮小・波動用への転用
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記事タイトル 5497.準特急とよばれて~185系物語 その13 遂に始まった勢力縮小・波動用への転用
概要

-その12(№5489.)から続く-185系が登場30年目を迎える平成22(2010)年。この年の12月、「新特急なすの」の後身である「ホームタウンとちぎ」「おはようとちぎ」(上野-黒磯)が廃止されたことは以前に取り上げましたが、その他にも上越線方面への短距離特急の運転が縮小され…… more ます。それは、「谷川」改め「水上」の廃止。「谷川」はかつての急行「ゆけむり」の流れを組む列車で、水上温泉など群馬県北部の温泉地へのアクセスの任務を負い、冬のスキーシーズンなどには上越国境を越え、越後湯沢・石打方面へ延長運転され、親しまれてきました。平成9(1997)年、「谷川」の名称が上越新幹線の東京-越後湯沢間の区間運転列車に召し上げられたため(新幹線は漢字ではなく平仮名で『たにがわ』と表記)、在来線特急の方を「水上」と改称しました。このあたりは、同じように新幹線に愛称を召し上げられた「なすの」と似た経過をたどっています。しかし、群馬県北部の温泉地への訪問は、自家用車による関越自動車道の利用が多くを占めるようになります。また温泉地が自前で送迎バスを仕立て、それを東京都内や近郊などから運転し集客するという策に出たため、「水上」は、自家用車を持たない層の利用も切り崩されてしまいました。その結果、遂に平成22年の12月、「水上」は臨時列車に格下げされることになります。さて、これで185-200の7連の運用が縮小したかと思えば、さにあらず。「水上」の臨時列車格下げ後は、「草津」の単独運転となりましたが、その後も上野-新前橋間では7連を併結し、7+7の14連で運転していました。これは言うまでもなく、「水上」運転の際に手戻りを少なくするための措置でした。さらに平成25(2013)年3月のダイヤ改正で、大宮に185系の配属が集約された際には、旧新前橋所属の185-200の7連は、グリーン車を下り方の6号車から編成中央の4号車に移し、旧田町の7連と編成内容を揃えました(旧新前橋の7連は既に平成18(2006)年の時点で大宮へ転属済み)。もともと旧新前橋の7連がグリーン車を下り方につないでいたのは、碓氷峠通過を考慮して重量の嵩む電動車を峠の下側に集中させるためでしたが(185-200には、189系などのような補助機関車との協調運転機能はない)、碓氷峠区間が廃止され、グリーン車を下り方に置く意味がなくなったからです。もっともこの編成変更、碓氷峠の廃止から16年経ってからのことでしたが。ちなみに、この改正では、東海道線の朝の下りに1本だけあった185系による定期普通列車が消えています。この9年前の時点で、朝の籠原発上野行き(この列車は185-200の7連を2本連ねた14連だった)や前橋-桐生間の普通列車について、185系の充当を止めていますが、東海道では下りの東京発伊東行きが1本だけ残っていました。これは伊東発の上り「踊り子」の送り込みのために残っていた運用ですが、遂に消えました。熱海-伊東間の普通列車運用は残りましたが、それも翌年には廃止されています。これにより、185系の登場当時のコンセプトだった「普通列車への使用」がなくなったのは、同系の歴史の大きな転換点だったように思います。そして、平成26(2014)年3月のダイヤ改正では、遂に「草津」の運用も失うことになります。この改正では、「スーパーひたち」で健脚を披露していた651系が交直切替機能を殺した上で(1000番代に改番、以下651-1000)「草津」に転用されました。同時に同系は、平日朝晩の通勤特急ともいうべき「スワローあかぎ」にも投入されています。また「スワローあかぎ」は「ホームライナー鴻巣」も吸収したことから、185系は同列車の運用も失ってしまいました。この時点では、高崎線方面への185系の運用が全滅したわけではなく、新宿発着の「スワローあかぎ」(平日運転)と「あかぎ」(土休日運転)の運用は残りました。ただしこれは、元田町車の「踊り子」用10連(185-0)が充当されていたので、旧新前橋の185-200は上信越方面の運用から撤退しています。しかし、185-0による運用も長くは続かず、2年後の平成28(2016)年に下りは廃止、上りは651-1000の運用に置き換えられたため、この時点で上信越方面の185系の運用は全滅を余儀なくされています。さて、これらにより、185系の退潮傾向が始まることになります。具体的には、これまで団体・臨時列車用とされてきた183・189系を置き換えるため、グリーン車を抜き出して普通車のみの編成を組成し、これらの編成を団体・臨時列車用として使用することになりました。つまり「波動用」への転用です。手始めに旧田町所属の5連付属編成1本からサハ185が抜かれ、この車両が平成25年4月1日付で廃車となり、この車両(サハ185-7)が185系の廃車第一号となっています。その後、185-200の7連5本からサロ185を抜いて普通車のみの6連を組成、編成は団体用に転用され、抜かれたサロ185は平成25年中に廃車になりました。また7連2本からグリーン車を抜いて8連1本と4連1本をそれぞれ組成、抜かれたサロ185はやはり廃車になっています。平成25年中で、サロ185は200番代ばかり7両が一気に消えました。その翌年、651-1000が本格的に高崎線系統に投入されたことで、今度は編成単位での余剰が発生、編成丸ごと廃車になる編成も出現しています。平成26年に入ると、185-200は7連5本が一気に廃車となっています。ちなみにこの年の6月の運転分から、「はまかいじ」のグリーン車が消えました。実は管理人は当時未乗だったアルピコ交通線(旧松本電鉄)に乗ろうと「はまかいじ」のグリーン車を押さえたのですが、都合が悪くなって日程変更をかけたら、次の運転分からはグリーン車が消えていて、それで乗れなかった残念な経験があります。変わったところでは、200番代のみで10連を組成した編成も出現しました。これは、前述の編成丸ごと廃車になった5本の中から、MMユニット1組とサロ1両を抜き出し、別の7連に組み込んで、185-0の「踊り子」用編成と同じ10連を組成したものでした。当時はまだ「Express185」のブロックパターン塗装を堅持していましたから、旧新前橋のブロックパターン塗装での10連は、かなり異彩を放っていたことは確かです。この編成は、「踊り子」用10連と同じ内容であることから、その気になれば「踊り子」への投入も不可能ではなかったはずですが、「踊り子」含め営業運転に投入されることは、一度もありませんでした。この編成は、専ら、当時開業を控えていた「上野東京ライン」こと東京-上野間連絡線の試運転の用に供されていました。「上野東京ライン」は、平成27(2015)年3月のダイヤ改正をもって、満を持して開業しますが、この編成は、「上野東京ライン」の開業を見届けるかのように、その年の5月から6月にかけて廃車されてしまいました。「Express185」のブロックパターン塗装の10連が「踊り子」に充当されて、湘南や伊豆の海沿いを走る姿を見てみたかった気もしますが、こればかりはやむを得ません。平成27年には、遂に「踊り子」用の旧田町車、185-0の10連からも編成単位での廃車が発生、1本が廃車されました。翌年にはさらに10連1本が廃車されています。このように、平成22年から退潮傾向が顕著になった185系。しかしそれでも、波動用として、団体・臨時列車として活躍する姿は見られました。次回は、そのような185系の姿を取り上げようと思います。-その14に続く- close

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投稿日時 2021-04-20 09:40:26

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