かつてアシカがいたから「海鹿島（あしかじま）」。明治時代までは、ホントに沖合の島でアシカが見られたそうですよ。というわけで、端っこの駅・海鹿島駅に到着です。この海鹿島駅、19231（大正12）年の開業当時からの駅舎が現在も使われています。例によって、平成2年ごろの写真と比べてみま…… more しょう。え?　動きがない?だって駅の記事ですもん。それくらい変化が少ないわけですよね。細かく見れば、自販機の位置が異なってたり（コカ・コーラ一択！）、手押し式の井戸が廃止されていたりするんですが一番の違いは、駅名かな?例によってネーミングライツ売却で、銚子市に本社のある株式会社藤工務所が取得。道路や駅、線路の修繕・建設を行っている会社です。もともと右側の錆サビの枠に駅名標があったんですよね。さすがに危険と思ったか、元駅事務室のほうに駅名標がありました。企業名は入っていないのが銚子電鉄のネーミングライツ売却の面白さなんですが、藤工務所は海鹿島駅に「とっぱずれ　あしかじま駅」という名前を付けています。古い駅名標、どこ行った!?もう一つの大きな違いは、2008（平成20）年に、運賃の車内収受という合理化策により、無人駅になったこと。駅事務室は、すっかり倉庫として再利用されちゃっていました。待合室の、壁と一体化した木のベンチに時代を感じます。なぜか学校教室の机が鎮座しています。海鹿島は文豪がちょくちょく訪れていることでも知られており、国木田独歩、竹久夢二、尾崎咢堂（行雄）、小川芋銭の詩碑があったりします。とはいっても彼らが住んだわけではなく、別荘を持ってたわけでして。ついでに言えば、詩碑があるだけですので、文学に興味がない方は、磯めぐりのお散歩もいいですよ。夏は海水浴場もオープンしますしね！駅舎の事務室と待合室の間、真ん中が空いてるけど、ここがかつての改札口だったかな?「弧回手形」を持っている“まつもと”は堂々と駅に入っちゃいます。待合室をホーム側から見たところです。外川駅のように「電球」の照明ではありませんね。というか、電球の照明が点く外川駅のほうが珍しいんですが。ネーミングライツ売却に伴い、新しい駅名標が取り付けられています。スポンサーの「藤工務所」を思わせるもの、何もありません。ベンチの広告は、醤油の町っぽく「ヤマサ醤油」でした。ホームをぼへーとみていると、住宅地の中なのになかなか来ない電車を待つ、何とも言えない気分になってきたのコトですよ･･･。なんかホーム面のコンクリにはひびが入っていますし、東日本大震災でよく駅舎が壊れなかったものだね、と妙に感心しつつ、その割にはホームは古いまんまだなーと気になりつつ。と、2000形が登場。外川行きの下り電車です。嵩上げしていないホームは低く、20センチくらいの段差があります。乗り降りの際はお気をつけてくださいね！（銚子電鉄の駅紹介では、毎回同じこと書いてる気がする）ところで、藤工務所が「とっぱずれ」と命名したのには理由がありまして、ここ海鹿島駅は「関東最東端」の駅なんだそうです。日本最東端でも本州最東端でもなく、あくまで「関東最東端」という中途半端な位置づけが、銚子電鉄らしくて面白いものです。海鹿島駅ホームには、木製の最東端の碑が建っていました。といいますか、建っていたはず・・・銚子電鉄オリジナルの、ぬれ煎餅色の駅名標と、（やっぱり国鉄レイアウトは無駄がなく見やすい）その横に「関東最東端の駅　海鹿島駅」の碑があります。が、黒い碑の置き場所が不自然ですね?実は、手前の溝の入ったコンクリートに刺さってたらしいんです。普段はあまりやらないのですが、写真をちょっと加工してみました。あんまり上手くないですね･･･ま、でも確かにコンクリの溝と碑の寸法が合いそうです。ま、こういうことに無頓着というか人手が足りないのが銚子電鉄ということで。でも、碑がなくなったり破損しちゃったりする前にどうにかしたほうがいいと思いますよ、銚子電鉄さん！ close

銚子電鉄・海鹿島駅～文学の道はとっぱずれの無人駅から！