JR九州885系電車の詳細

JR九州885系電車
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記事タイトル JR九州885系電車
概要

JR九州885系電車 885系電車(885けいでんしゃ)は、九州旅客鉄道(JR九州)の交流特急形電車。2000年(平成12年)3月11日に営業運転を開始した。 783系と485系を使用していた特急「かもめ」の速度向上を目的とした振り子式車両である。JR九州の振り子式車両としてはす…… more でに883系が存在し「ソニック」で使用されていたが、本系列は883系と車体構造・内装デザインが変更されている。また2001年(平成13年)には「ソニック」増発用として一部設計変更された編成が製造された。デザインは水戸岡鋭治主宰のドーンデザイン研究所が担当した。全車が日立製作所で製造された。車両価格は6両編成で10億8000万円(1両平均1.8億円)。最高速度は883系と同じ130km/hで、80km/hまでの加速性能も883系と同じだが、それ以上の速度領域では加速力を向上させることで高速性能の改善を図っている。速度種別はA68。2001年に鉄道友の会第44回ブルーリボン賞、ブルネル賞、財団法人産業デザイン振興会グッドデザイン賞を受賞した。 構造車体車体は日立製作所のモジュール構体システム「A-train」を採用し、摩擦撹拌方式 (FSW) により製造されたダブルスキン構造のアルミニウム合金製である。ダブルスキン構造の内部に制振材を挿入し、床面上部にも貼り付けることで騒音防止を図っている。前頭部は新幹線や、ドイツの高速列車ICE3を彷彿させるような、非貫通構造で丸みの帯びた流線型とし、併結用の密着連結器はカバーで車体と一体になるようにデザインされている。前照灯のデザインは、スポーツカー「アウディ・TT」のものを基にしている。側面窓は883系に比べやや小さくなるとともに、窓ガラスはUVカットガラスに変更された。また乗降扉の横幅も883系に比べ100mm縮められ、900mmとされた。ただし、床面高さを低くしたことにより、ホームとの段差が小さくなったため出入台にステップは設置されていない。塗装はそれまでのJR九州の車両に多かった原色を用いたデザインから一変し、白一色で車体下部と前面運転台窓周りに帯を入れたデザインとなっている。この帯の色は「かもめ」に充当される1次車が黄色、「ソニック」に充当される2次車が青色と区別され、ロゴもそれぞれ異なっていた。ただし予備車が少ないことから運用上の自由度を高めるため、車体側面エンブレムは後に撤去され、帯の色も2012年上期までに青色への統一が完了した。このデザインを採用するにあたり、ICE3のデザイナーであるアレクサンダー・ノイマイスターと親交がある水戸岡は、ノイマイスター本人から快諾を得たという。 電源・制御機器主回路機器は815系をベースに特急形として見直しを図っている。主回路制御方式は、883系に続いてVVVFインバータ制御を採用する。主変換装置は、IGBT素子を使用したPWMコンバータ+VVVFインバータで構成される。主変圧器は自冷式を採用し、モハ885形に搭載される。モハ885形0・400番台は隣接するクモハ885形にも給電することから、二次巻線2線と三次巻線で構成された2M車タイプを搭載する。モハ885形100・200番台は自車のみ給電であることから、二次巻線を1線とした1M車用を搭載する。中間電動車のモハ885形にシングルアーム式パンタグラフを装備している。パンタグラフ位置が車体の振り子動作に影響されないように、パンタグラフ台は台車枠直結の支持台上に設置されており、パンタグラフを備えるモハ885形のこの部分はデッドスペースとなっている。主電動機は、883系で実績のある MT402K (定格出力190kW)を電動車両1両あたり4基搭載する。消費電力は、1両あたりの消費電力の理論値ベースで415系の消費電力を100とした場合、885系は約65パーセントとなっている。 台車台車は空気式制御付自然振り子台車のDT406K(電動車)/TR406K(制御車・付随車)となっている。台車の外観や寸法などは883系に類似しているが、台車形式は883系とは異なっている。883系投入線区のほとんどは最高速度で走行可能で、100km/h未満の速度制限箇所が一部存在するが、長崎本線肥前鹿島駅 - 諫早駅間では日豊本線より厳しい制限70km/h - 75km/hの急曲線が連続するため、振り子電車としての車体傾斜による安定性を高めることを目的に、空気ばねの左右間隔を883系より10cm広い1,900mmとしている。80km/h以上の速度領域での加速度向上を図ったのも同様の理由のためである。 車内車内デザインはICE3などを参考にしつつ、水戸岡のデザインコンセプトを強く反映したものとなっている。座席座席は全席リクライニングシートで、普通席・グリーン席ともに本皮革張りとしている。これにより構造上、座席背面にテーブルを設置することができないため、側面窓の窓かまちを設けることで小物を置くスペースの確保を図っている。また、ヘッドレスト背面にはチケットホルダーが設置されている。座席の本革は、商品価値を損なわない程度の微細な傷などが入ったもの(いわゆるアウトレット品)を用いている。そのため、製造コストは通常の座席と大差はない。なお、運転席はレカロ社製の特注品である。しかし本革張りの座席を好まない乗客もいるため、各編成の4号車から6号車の座席が順次モケットに変更されることとなっており、2012年にSM2編成で実施された。グリーン席の座席はすべて1人掛け座席となっているが、中央のC列の座席を片側に寄せてD列席と隣接させることで1+2列配列並みの配置としている(席番配置はA+CD)。また座席背面のフットレストが省略された。A列の壁面とC・D列の中間部に折りたたみ式の木製テーブルを設置している。定員は12名で、883系より1列分少なくなっている。普通席は一般的な2+2列配置の座席で、座席の前後間隔は883系に比べて20mm短い980mmとなった。普通席では中ひじ掛けに収納式の木製テーブルを設置している(画像でも解るが手前には2つ設置されている。これは、座席を回転させた際にテーブルの位置がずれてしまう為の対策である)。 その他車内設備側面化粧板は白色、床はフローリングとしている。ただし、サハ885形100番台および300番台(いずれも3号車)の化粧板はダークグレーである。本系列では883系に設けられていた客室中央部のセンターブースは廃止され、代わりにデッキの面積を拡大し、車端部にコモンスペースを設けた。コモンスペースには縦長の窓が設けられている。仕切扉には、車両間の半透明ガラス扉、普通客室とデッキを仕切る上部透明/下部半透明のガラス扉、グリーン客室とデッキを仕切る木製扉の3種類があり、全て自動扉であるが、木製扉は手でセンサに触れなければ開かない。これらのうち、ガラス扉は乗務員室からの操作による一括開閉が可能である。また車両間の扉は、一方の扉の開閉と連動して他方の扉も開閉する。 LED式案内表示器は、客室端部(仕切扉上部)に天井から吊るす形で設置されている。LEDの大きさや配置は883系に準じ、左側から禁煙表示灯、号車番号表示、座席種別表示(グリーン車:グリーンマーク、普通車指定席:緑色で「指」、普通自由席:橙色で「自」)、スクロール式情報表示(8文字分で、当初は「見えるラジオ」を利用したニュース配信も行われていたが、現在は、乗客への注意喚起や特別企画乗車券等の自社広告、ソニックのみ別府駅到着直前に「湯の街別府の案内」が流れている。)、携帯電話使用禁止表示、トイレ使用中表示となっている。なお、スクロール式情報表示での英数字表示は通常は全角だが、「見えるラジオ」のニュース配信では半角である。また、6号車に指定席と自由席が混在していた時期(2003 - 2007年)は、通常の座席種別表示は使用されず、「指/自」と表記されたプレートが当該部分に貼付されていた。各車両一部座席を撤去し、787系のように大型の荷物を置くことができる荷物スペースを設置している。 運転装置主幹制御器は左手操作ワンハンドル式(手前から力行5段、中立、抑速ブレーキ、常用ブレーキ7段、非常ブレーキ)とされた。運転室と客室との仕切は液晶ガラスとなっており、通常は透明であり客室から前方の風景を見ることができる。なお、停留中や事故などで先頭車のマスコンハンドルが非常ブレーキ位置にあるときは瞬時に不透明になる機構を備える。ちなみに、運転席右部にこのスイッチがあり、ONにすれば常時透明のままになる。また、三菱電機製乗務員支援モニタ(合成音声とチャイムによる停車駅接近予告機能を付加。客扱いをしない停車駅でも予告)も備えている。後日装備であるが、運転台の上にATS-DK形のコンソールが搭載された。本系列ではミュージックホーンも搭載されているが、883系と同様に運転台の下のペダルで操作するのではなく、運転室のコンソールボックスの中のスイッチを操作して吹鳴させる。これは各種試験動作などの注意啓発の合図のために設置されたもので、通常は聞くことができない。 本系列はもともと1次車は「かもめ」、2次車は「ソニック」用として新製されたが、2003年に2次車が1次車と同じ6両に増結されてからは、共通運用によって車両使用効率の向上(例として、総走行距離の調整)や「ソニック」運用に予備編成がなかったことから、1次車が「ソニック」の、2次車が「かもめ」の運用に入ることも見られるようになった。現在は使用される編成の区別はなくなっており、1次車が2次車と同じ青帯に変更され、車体ロゴも「AROUND THE KYUSHU」に統一されている。本系列投入以前の783系「かもめ」では17往復で6両編成8本が必要とされ、ほとんどの編成は1本につき博多駅 - 長崎駅間1日2往復半を運用していたが、本系列では16往復で6両編成7本と、ほとんどの編成が博多駅 - 長崎駅間1日3往復を運用しており、運用効率化を図った現実が伺える。一般に振り子電車は製造コストが高価になりやすいとはいえ、本系列登場前は博多駅 - 長崎駅間を往復するのに6時間かかっていたのを5時間へ短縮したことにより、6両編成1本分の車両削減効果を達成している。一方、「ソニック」では2000年3月11日改正以降、「にちりん」の減少による影響で極力883系の車両運用効率化で賄ったとはいえ、同系のみでの編成不足分を補うために2001年3月3日改正で4本が増備された。 JR九州885系電車基本情報運用者 九州旅客鉄道製造所 日立製作所笠戸事業所製造年 2000年 - 2004年製造数 66両 + 代替車3両運用開始 2000年3月11日主要諸元編成 6両編成軌間 1,067 mm電気方式 交流20,000V (60Hz)最高運転速度 130 km/h(曲線通過 +30 km/h)設計最高速度 150 km/h(曲線通過 +40 km/h)[要出典]起動加速度 2.2 km/h/s減速度(常用) 4.3 km/h/s減速度(非常) 5.2 km/h/s編成定員 314名(6両編成)編成重量 228.4 t全長 20,500 mm21,650 mm (先頭車)全幅 2,910 mm全高 3,825 mm車体 アルミニウム合金主電動機 かご形三相誘導電動機駆動方式 TD継手式中実軸平行カルダン駆動方式編成出力 190kW×12=2,280kW (3M3T)制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ保安装置 ATS-SK、ATS-Dk close

JR九州885系電車
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タグ 乗り物(列車・車両) 鉄道
投稿日時 2019-07-12 18:40:09

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