半年毎に新刊が出る度、当ブログで話題にしてきた林基一氏の「近鉄電車写真集」。昨年末に第６巻が刊行された。副題は「高性能通勤車（非冷房）」となっている。　旧性能車を集めた前号に続いての通勤車両集だが、何せ近鉄電車は車種が膨大だ。今回は、登場時には非冷房だった初期の高性能車両という…… more 括りでまとめている。　表紙を飾るのは８００系。例外的に通勤車で運転されていた当時の奈良線特急（料金不要）用にデビューした名車だ。旧生駒トンネルなど、車両限界が狭かった当時に合わせた中型車だが、前面のデザインやフレームレスの窓下に細帯を巻いた側面で人気が高かった。　ページをめくると、当然ながらマルーン・ボディのオンパレード…と思いきや、意外とカラフルな塗装もあって、当時の高性能車への期待を感じることが出来る。　次々と新車が投入される特急車と異なり、長く使われる通勤車が多いのが近鉄。本線系の車両は後年の改造や更新後の姿も押さえてあるし、ナローゲージ線も収録しているので、とにかく近鉄電車のバラエティを堪能出来る。　例によって、巻末には次号の予告イラストが描かれている。１２０００系の登場時の姿だ。ちょうど１２２００系の引退が話題になっている時期なので、スナックカー・ファミリーの大特集と予想した。　ところでこのシリーズの流通は、書店ルートではなく模型問屋経由なので一般の書店には並ばない。刊行時は入院中だったので、退院後にゆっくり買おうと思っていたら、意外にも人気があったようで何と店頭から消えていた。いつもお世話になっている模型店のスタッフにお願いして取り寄せてもらい、無事入手出来た次第。　 close

近鉄電車写真集６「高性能通勤車（非冷房）編」