近鉄19200系の詳細

近鉄19200系
車内観察日記
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記事タイトル 近鉄19200系
概要

「あをによし」、奈良時代に奈良の都が、華々しい朱色(丹色)に木々の緑(蒼色)が映えている様からというのが一説で、どうみても緑に見えるのに「青信号」と呼ぶのは、奈良時代からの「青」を指し示す範囲の広さから来てるなんて話もあります。 そんな歴史のある言葉である「あをによし」…… more 、奈良県の交通を牛耳る近鉄が新しく投入した観光特急列車にこの名前を冠し、2022年より運転を開始しています。 使用車両は、2021年に定期運用を終了した12200系を改造した19200系です。塗装は紫檀メタリックと呼ばれるものになり、前面は非貫通化・灯具がシリーズ21の一般車と同じ位置になりました。前照灯や窓配置が、唯一その出自を伺えるものになっています。窓などの金属を使用する部分は金色塗装とされ、中央の窓下には列車ロゴのエンブレム、その両側には「あをによし」の文字のロゴと「SIGHTSEEING LIMITED EXPRESS」の文字があります。 側面にも。直訳で観光列車な訳ですが、日本語で「観光列車」って車体に書かれてるのを想像すると‥ねぇ?まぁいっか、「COMMUTER TRAIN」よりは(笑) あと、結構大胆にやってるように見えて、行き先表示は方向幕のままなんですよね。 側面にもエンブレムの貼り付けや、華々しいイメージを持たせるように花の模様のステッカーが貼られています。 運用は30年ぶりにほぼ復活した近鉄奈良経由の阪京特急1往復、京奈特急2往復で、基本的に毎週木曜日は運転されません。なお座席構成はツイン席とサロン席のみで、1人分のみの料金で利用出来る座席はありません。小児料金の追加で2席利用は可能ですが、京奈間や阪奈間利用だと、乗車時間が短いのでコスパもあまりよくありません。 それでは参りましょう、まずはデッキ・ドアからです。化粧板は暗めの色調のものに交換されていますが折戸のまま残されており、その構造のせいか開閉ランプは設置されていません。また、ドアチャイムも非搭載のご様子、これはあっても良かったとおもうのですが…。 最前面です。仕切り扉は、かつて併結による重連運用もあったことから使用感を中間車に揃えた引き戸式となっています。一応この窓から前面展望も可能です。 ツイン席の車内です。なるほど観光列車らしい座席配置・カーペットが敷かれた床に高級感を醸し出すシックな色調、リクライニングシートが並んでいた時代を知る者としては変貌ぶりにビックリです。系統として青の交響曲を思わせるものの、古都間を結ぶことから和のテイストも追加されたデザインです。 車端部です。外観同様、目に見える金属の部分は金色塗装とされ、高級感を出すために一役買っています。仕切り扉は曲線を組み合わせたもので、両曲線の内側には不透明の窓が入っています。 4号車のデッキとの仕切りです。この列車にはLED表示機などの情報提供ツールは存在していません。実際問題一旦乗れば終点まで行く方が多いことと、雰囲気に対して文字が無粋に写るからだと想像します。 天井です。飾り照明の増設や化粧板の交換はされているものの、間接照明を備えた冷房吹出口の造形は改造前から変わりません。 肩部には花の柄をあしらった化粧板が貼られています。少し薄く描かれていますが、間接照明からの光が照らされて丁度よい塩梅になっています。 窓です。基本構造はそのまま、日除けや上部パネルの交換などを行っています。 で、「そこまでする?」と思ったのが、両側で日除けの留め方が異なること。ボックス配置席は留め具にまとめる方式ですが、窓向き配置席は布をまとめる方式になっています。なぜわざわざ分けたのかが非常に興味深いですが、恐らく本当は全部布巻きにしたかったと思われますが、ボックス配置席だと後ろから引き出す格好になるため、布巻きだと操作性に難が出るからなんでしょうね。 座席です。まずはボックス配置席からです。京奈間では東寺が見られる席ですが、阪奈間では大阪平野の絶景とは逆向きになります。中央には固定テーブルがあり、駅弁などを持ち込んで開くことも出来ます。ちなみに日除けを閉めてみましたが、マジックテープが無いのでしっかり閉めるのは難しいです。 テーブル下にはコンセントがあります。人数分ありますが、コードが長くないとテーブルの上には置けません。 続いて、向かい側の窓向き配置の席です。座席自体はボックス配置席と同じものですが、脚台に載るような構造ではありません。あとしっかり窓に向くように配置されており、どっかのように柱を見るようなものにはしておりません。 座席単体で見てみましょう。リクライニングや回転などはしないソファシートで、ヘッドレストの両サイドを張り出させたヨーロピアンスタイルです。背ズリは割と切り立ったものになっていますが、座面が比較的奥行きのある設計となっているため、前方に腰掛ければそこまでしんどくは無いと思います。アームレストは座席と一体となったもので、出入りを考慮したかやや短め、またゆとりはあるのに幅も少し狭いのが残念と言えば残念です。 ヘッドレストリネンはロゴ入りとなっています。この裏には木のつまみがあり、点字による座席表示もされています。 テーブルです。座席配置から三角形になっております。これまた中々広くて、二人で使うには持て余すくらいです。 各席には飾り照明があります。青いカバーで、非常に鮮やかです。なおこの照明、飾り以外にも役割がありまして…。 実は座席番号を照らす役割も兼ねております。どこから照らされているのかと思ったらまさかのそれだったのでビックリした次第。こちらにもコンセントがあります。 4号車にはソファもあります。何だか形状がミトーカチックでちょっとヤですが、あくまでフリースペースなので長居を考えたものではありません。 続いては3号車です。両先頭車と同じくツイン席車ですが、バリアフリー対応車両となっています。 デッキ、ドアです。他号車と異なり引き戸になっており、横幅も広くなっています。 トイレも円筒形で大型です。ベビーベッドも備わっていますね。 開閉はボタンによる自動式、押すべきボタンが光るようになっています。 男性小用トイレです。近鉄はここにも内鍵を閉められるようにしておりまして、近年の多様性(…と軽々しく使いますが)に対応した仕様となっています。逆に言いますと、窓が無いので使用の際は鍵を閉めないと開けられます。クセで開けっぱにしないようにしましょう。 男性小用トイレ手前には消化器とくず物入れがあります。逆に言うと、この号車のくず物入れはここにしかありません。ドアから少し奥まったところにあるので、降りる前に捨てる際は少し早めに捨てた方がいいのでご注意を。 男性小用トイレ向かいの洗面台です。特に目隠しのカーテンなどは無いようです。 鏡は円形、ちょっと高い位置にあるので、あくまでも大人向けな感もあります。鏡の裏には間接照明も仕込まれていますね。 本体は陶器を使用しており、ちょっとJR四国感が漂います。 そして、近鉄特急おなじみのおしぼりストッカーです。毎度の合言葉、お一人一本まででお願いします。 3号車のサロン席です。バリアフリー対応とは言え、かなりのスペースを割いて設定されています。そうでなくても定員は元の半分以下、特急料金に加えて特別車両料金がかかります。デッキとの仕切りです。仕切り扉は両開きとなっております。トイレもありますので、使用知らせ灯があります。バリアフリー対応席です。2席が設定されており、座席番号も30番台で区別されています。 各ブロック1席はこのように通路側へ向けて回転することが出来ます。また車椅子固定用のベルトも備わります。 脚台を拡大。ベルトの横に回転用のペダルがあります。 車椅子置き場です。リクライニングシート換算で8席分を割いており、非常に広々としております。窓枠下辺は比較的広い幅で広げられており、飲み物なら置ける程には確保されています。 テーブル下には、固定ベルト、非常ボタン、コンセントが備わります。座席に座れない方は、ここで過ごすことも出来るということでね。 ツイン席の最後は荷物置き場です。1編成に様々な形態がありますのでご紹介しましょう。まずはその1、ひな壇付きの荷物置き場で、滑り出し防止のためのロープが張られています。 続いてその2。二段式で、下段はひな壇なし、上段は固定式の柵があります。 その3。こちらはなぜか下段がひな壇付き、この辺の使い分けがよく分かりません(笑) その4。こちらは長尺物を置けそうです。 最後にその5。二段式の上段はバーを並べたもので、下段にロープはありません。 続いて2号車のサロン席です。ここには車内販売カウンターもあり、壁となっているため花のステッカーも大々的です。サロン席車の車内です。4人掛けのセミコンパートメントが3区画並び、通路は片側へ寄せられています。仕切りの柱は通路側窓上にアーチするように伸びています。そうそう、カーペットの柄はツイン席とは異なります。車内販売スペースとの仕切りです。そうそう、車内ではフリーWi-Fiが使用出来ます。 車端部です。連結面の関係で通路がクランクしています。壁には非常ボタンが備わりますが…かなり高い位置にあります。いや、手に届く範囲で無闇矢鱈に触られても困りますが…。 仕切り扉です。ツイン席とデザインは同じですね。 天井です。こちらも中央のパネルは化粧板の交換程度、中央の飾り照明はありません。そして、やはり通路のアーチが目立ちます。サロン席です。4人掛けで、3人以上で利用可能です。ツイン席同様、人数分の特急料金を払えば2人以下でも利用可能です。 窓は非常に大きくなっており、下辺は座面近くになっています。この大きさは西武001系並みと言えるでしょうか。日除けのカーテンはこれまた形状が異なり、カーテンレールに吊るすタイプのものが備わります。 座席です。通路側の2席は斜め配置で、固定テーブルを向くようになっています。空間の制約もあるのか座席自体はツイン席と比較すると簡易的なものです。まぁ、わいわいしてりゃすぐに着くよ、という観光列車あるあるな考え方でしょうか。 こちらにもツイン席と同じく青い飾り照明があります。仕切りの壁は半透明のガラスに飾り照明の組み合わせです。扉は無いので声などは筒抜け、わいわいも程々にしましょう。 壁の下には荷物置き場があります。手持ちのカバンやリュックくらいは置けると思いますが、それ以上の大きいものは厳しいですね。寝かせれば床にも大きな荷物が置けるでしょうか。 通路側の窓にも日除けはしっかり備わります。手すりはもちろん金色です。 続いて車内販売カウンターです。全国的に車内販売が減少傾向にある中、観光列車と言えど新しくこのようなサービスがスタートするのは喜ばしいものです。 天井です。間接照明に、中央にはダウンライトが設置されています。カウンターです。木の質感を押し出したものになっていますね。 カウンターにはビールサーバーがあり、季節により異なるクラフトビールをいただくことが出来ます。 その横には冷蔵ショーケース。大仏プリンやバターサンドなどがあります。バターサンドはコーヒーとのセットのみの販売です。  窓は4枚、四隅が丸い処理がされています。  くずもの入れです。金属で銀色が見える数少ない部分と言えるでしょうか。 で、今回はクラフトビールをいただきました。乗車は6月、スタウトビールが販売されていました。京奈特急では特にですが乗車時間は短いので軽食などは無く、おつまみやスイーツくらいしかありません。各駅にお弁当などを販売してるところはあるので、駅で調達して乗り込むのが賢いかと思います。この「あをによし」、元々設定されていた特急列車のダイヤを置き換える形で投入しており、満席が多いかつ乗車料金は最低でも二人以上と、観光列車で無くてもよい客層の乗車機会を無くしてしまっています。昨今旅客が少ないと言えど需要もそれなりの京奈特急ですから、ピーク時には汎用車両連結も考えてみてよいのではないでしょうか。  ≪送料無料≫ 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近鉄19200系
サイト名 車内観察日記
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投稿日時 2022-06-25 14:15:06

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