ちょっとブログをお休みしている間、実は台湾に行っておりまして。観光ではなかったので、「撮り鉄」する時間があまり取れなかったのですが、なんとか出会った車両たちや駅のご紹介を少しずつできればと思います。不定期でお届けする（仕事の合間の）台湾の鉄道をご紹介です。最初は、台湾の移動によく…… more 使用した「自強号」のコトです！台湾の鉄道は、「○○捷運」という都市内輸送を担う、いわゆる「○○メトロ」を除き、ほとんどの路線が台湾鉄路管理局の所有または管理とされています。要するに、日本ではなくなった「国有鉄道」がいまだ健在なんです。台湾鉄路管理局、略して「台鉄」が都市間輸送や長距離輸送を担っています。長距離輸送の主役が、日本でいう特急列車、「自強号」です。名前の由来は1971（昭和46）年のいわゆるニクソンショックのころの「荘敬自強　処変不驚」というスローガンなんだそうです。（謹んで自らを強め、変化に驚くな、といった意味ですね。政治的で夢がない･･･）さて、従来の地上駅から高架化された、新しい台中駅に「自強号」が入線してきました。おもに西部幹線で使用される、1996（平成8）年に登場した、E1000型電車です。基本的に台鉄の路線は、台北を中心に西部幹線・東武幹線が高雄までをつないで台湾を一周するように敷設されています。（幹線も区間ごとに名称がついていますが、このブログでは割愛します）今年は「台鉄130周年」なんだそうです。その幹線から数本の支線が分かれており、特色豊かなローカル線として運行されています。「自強号」は幹線の特急列車として活躍しています。自強号の中間車です。客車ですからパンタはなく、屋根がツルペタですね。自強号の「前後2両の機関車」と書きましたが、写真の自強号「E1000型電車」は前後の専用機関車の間に11両の客車を挟む、動力集中・プッシュプル式の車両です。プッシュプルは台湾では「推拉式」といいます。なお、車両の製造は南アフリカ共和国と韓国のメーカーです。前後の機関車を南アフリカ（UCW）が、中間の客車を韓国（現代精工）が、それぞれ製造。しかし、デビュー後すぐに異常振動が起きたりトラブルが絶えなかったようです。さらに悪いことには、韓国メーカー（旧・現代精工、現・ロテム社）は合併・組織変更で、「アフターサービスをしない契約」となってしまい、部品の調達もままならず。南アUCWも経年による必要な部品の調達をしないこととなり一時は故障してもどうにもならないことがあったようです・・・。現在は、韓国メーカーの入札停止措置や、日立製作所、日本車輛・台湾車輛の製造による新型車TEMU1000型（太魯閣号）、TEMU2000型（普悠瑪号）の増備が進み、同時に台鉄で整備ができるようになったため故障休車の影響は抑えられているとのことです。台湾の人はしゃべるか寝るか・・・。携帯でしゃべる人は、いわゆる田舎者風の人が多いようです。しゃべる声はでかいわ、寝たら静かだわ、中間はないのよね。自強号はJR東日本の新幹線・在来線特急よりシートピッチが大きく、東海道・山陽新幹線の700系一族のようなゆったり感です。ただ、席番のカウントが日本と違うので要注意です。窓側・窓側・通路側・通路側、という数字の割り振りです。特に、向かい合わせで座りたいお客さんにはわかりにくい・・・かな。側面のLED表示は、列車番号や行先、経由路線などを漢字、英語で1秒おきに変更していきます。2段書きですが、上下の行がそれぞれ下から上にスクロールし1秒表示、下から新たな表示が現れて・・・の繰り返しです。上の写真は、「自強号」「125列車」という意味。1秒後にはそれぞれがひゅっとスクロールし、「経山線」「往屏東」と変わりました。山線経由の屏東行きという意味です。東部幹線には、海沿いのルートと山沿いのルートに分かれる区間があり、北部の新竹駅から中部の彰化駅までが「海線」「山線」に分かれる区間です。中部の大都市、台中市を訪れる際には経由路線は大事です。台鉄の台中駅は「山線」にあるんです（台中市は海に面しているのですが）。ほとんどの「自強号」は山線経由なのですが、確認しないとたまに海線経由の「自強号」も走っています。もし確認不十分で間違えてしまったら・・・台北方面からですと彰化駅で山線に乗り換えないといけなくなり大幅なタイムロスを強いられます。台北駅に入線する自強号です。板橋駅-台北駅-松山駅（日本の路線じゃないぞ！）といった大都市区間では、台鉄は地下を走ります。なので、台北駅は駅撮りには全く不向きです。電車の横の黄色いのを着ている人はホーム安全確認の職員さん。電車が近づくとホイッスルを吹いて、黄色い線の内側に下がるように注意喚起します。※　撮影後すぐに下がることを条件に、駅職員氏の許可をいただいて　　撮影したものです。 close

【台湾編】台鉄の特急「自強号」はプッシュプル！