2017.09.11 先日、取材で久々に大阪市内を訪れる機会がありました。 この大阪というところ、ターミナル駅の位置関係や構造が東京とは随分と異なっているのですが、何度訪れても、なぜか「心惹かれる駅」があります。   それは、近鉄大阪線のターミナル「大阪上本…… more 町駅」。 しかしこの駅は、「都心にある行き止まりの大きな終着駅」という単純な構造ではありません。   確かに、この駅自体は、大正時代に近鉄の前身である大阪電気軌道が開業して以来、長らく「都心にある行き止まりの大きな終着駅」でした。   それが、1970年に上本町〜難波間で全線地下の近鉄難波線が開業すると、地図や路線図のうえでは、「中間駅」となります。 ヨソモノからすれば、超都心？の難波まで直結したワケですから、上本町駅の「ターミナル駅としての役割」はその時点で「終わった」ように錯覚することでしょう。   しかし、高架で行き止まりのホームが並ぶ駅設備はそのまま残され、難波へ直通する列車のみ、同じ駅の地下ホームに発着します。 難波方面へ直通する列車は、主に近鉄大阪線に乗り入れている近鉄奈良線の列車。 近鉄大阪線の列車は今なお、この荘厳な？高架のホームから出発しており、実はターミナル駅としての機能が維持され続けてきました。   よって、近鉄大阪線の乗客が難波方面へ向かうには、大阪上本町駅で高架ホームから地下ホームへ移動し、乗り換える必要が生じるのですが、単に乗り換えるだけなら、近鉄大阪線・近鉄奈良線ともに高架ホームに発着する1駅手前の鶴橋駅で乗り換える方が便利。   一方、逆に難波から近鉄大阪線の列車に乗り換えるには、「始発駅」である大阪上本町駅で乗り換える方が「座席の確保」はし易いと言えるでしょう。   つまり、駅としての「機能」だけを見れば、ココ大阪上本町駅は、ターミナル駅であってターミナル駅ではないという、不思議な位置付けとなっています。 では、駅ビルや駅周辺の様子はどんな感じでしょうか？   駅ビルに相当する建物は、近鉄グループの百貨店とシティホテルとなっており、近鉄自体の本社もココにあります。 近鉄難波線の開業から50年近く経った今でも、ココが近鉄グループの「本拠地」であることに変わりはありません。   駅の周辺はどんな感じかと言うと、駅を出るとそこは大きな通りが交差する十字路で、ビルが林立しており、都心の一画・・・には違いないのですが、難波や梅田、天王寺など他のターミナル駅周辺に比べれば、随分と「おとなしい」印象を受けるでしょう。   百貨店の隣接地では、2010年に新歌舞伎座などが入居する複合ビルがオープンし、それなりの賑わいを見せてはいるものの、梅田や難波に比べれば、やはりまちとしての「求心力」は大きく劣ります。 むしろ、駅と一体化している百貨店が孤軍奮闘？しているといった感じでしょうか。   しかしそれでも、行き止まりの櫛型ホームにズラリと列車が並ぶ様は壮観で、それが上本町という場所の「風格」や「威厳」に直結している感じがします。 駅の規模に比して賑やか過ぎない、落ち着いた空気？のようなものに惹かれるのは自分だけでしょうか？   こうした空気のまちは、東京ではちょっと見かけません。 強いて言えば、JR上野駅や京急品川駅がそれに近いのですが、やはり比較対象にはなりませんね。。。   今回の大阪の取材でも、ついつい、この場所には足が向いてしまいました。   ニュース投稿やご質問・ご相談はこちら Ｐ　Ｒ　■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ close

【編集長のつぶやき vol.499】　ターミナル駅であってターミナル駅でない？大阪上本町駅。何度訪れても「心惹かれる駅」。