銚子電鉄は、あちらこちらの鉄道事業者から中古の車両を買い集めて運行し、古くなったら（維持できなくなったら）さよなら、を繰り返してきました。比較的最近まで銚子電鉄にいた、古めの中古車両といえば地下から地上に上がってきたこの子たち。銚子電鉄デハ1000形です。デハ1000形は全部で2…… more 両。営団地下鉄銀座線・丸ノ内線方南町支線の、営団2000形をベースにした車両です。「営団→メトロのころから地上にはちょくちょく顔を出してはいたが」銚子電鉄が「節操ないよ！」と思うのは、軌間1435ミリの銀座線・丸ノ内線の電車を持ってきちゃうところかな?しかも、地下鉄の中でも銀座・丸の内は第三軌条からの集電方式です。軌間1067ミリ、電圧750ボルト、架空電線の銚子電鉄とは相性が悪そうですね・・・。「ドア窓の小ささが、元相鉄地下鉄の車両であることの名残だ」1994（平成6）年に入線したデハ1000形。それでも1959～60（昭和34～35）年製造ですので、銚子電鉄に来た頃にはすでに35年ランナーでした。それでも、基本的には16メートル車で銚子電鉄に適したサイズなので何とかして地上鉄仕様に仕上げました。集電方式は、第三軌条から電線になるため、地上の東武に乗り入れた営団3000系から電装品を移植！軌間の合わない足回りは、小田急2220形から拝借！（返す当てはないけどね！）そして、単行運転を想定した両運転台にするため、同形式の車両をガッチャしたニコイチに改造！・・・まあ、ニコイチは自動車の中古車だと問題ですが、鉄道車両では、さほど珍しいことではありませんので。かくして、地下鉄銀座線・丸ノ内線の電車が、文字通りの意味で日のあたる場所に出てきたのでした！外川駅にて、鉄子の旅カラーのデハ1002が折り返し待ちです。当初は、赤黒にゴリラのついた塗色で登場したのですが、その後デハ1002は菊池直恵氏デザインの「鉄子の旅」塗色に、1001はゲームソフトでおなじみ「ハドソン」がスポンサーになり「桃太郎電鉄」カラーに塗色変更されました。デハ1000形末期の2011（平成23）年には、営団地下鉄リバイバルカラーが実現、銀座線オレンジと、丸ノ内線レッドとなりました。デハ1002は2015（平成23）年の年明けに、デハ1001は2016（平成24）年の2月いっぱいで銚子電鉄を去りました。現役を離れた現在は、1両が松戸市の「昭和の杜博物館」に展示してあります。***************ここから余談です*****************「昭和の杜博物館」は、吉岡建設工業の吉岡光男氏が開設した私設博物館です。昭和の雑多なコレクションを見たいという方には、是非おススメです。博物館の専門的な展示形態はまったくとっておらず、コレクションの陳列室といった印象ですが、実用品や実用車両・・・高級車ではなく、昭和の風景にあった自動車などが保存されている、言ってみればB級博物館です。もっとも、骨董価値の低いB級品は、あまりに身近すぎるものが多くいずれ散逸したり、廃棄されたりして気づいた時には「残ってない！」ということもままあるわけでして。（“まつもと”の大好きな反転フラップ式の「パタパタ時計」や オレンジの丸っこいデジタル表示の「ニキシー管時計」のように、 価値を見出されることなく消えていった者たち・・・・・・）開設者の吉岡光男氏は、クラシックカーのイベントを主催されたりしてるその筋では有名な方なんだそうです。このような篤志家が動かないと、なくなってしまうものもあるんでしょうね。個人の財布をあてにしちゃいかんですよ、文化行政にかかわるお役人！！「昭和の杜博物館」は金・土・日の開館です。流鉄の2000系「なの花」と銚子電鉄デハ1001が保存されていますよ～ close

銚子電鉄・デハ1000形～営団車両はパンタも軌間も規格外！