北海道観光列車を走らせる意味。の詳細

北海道観光列車を走らせる意味。
いすみ鉄道 社長ブログ
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記事タイトル 北海道観光列車を走らせる意味。
概要

札幌からぐるりと道東を一周する2泊3日の観光列車モニターツアーが終了しました。   コースは 1日目:札幌ー帯広ー幸福駅ー池田ー白糠ー釧路 2日目:釧路ー釧路湿原ー塘路ー茅沼ー900高原ー屈斜路湖砂湯ー硫黄山ー川湯温泉ー知床斜里ー浜小清水ー網走 3日目:網走ー…… more 北浜ー遠軽ーAコース:サロマ湖、Bコース:丸瀬布いこいの森−遠軽・丸瀬布ー札幌 と、列車をメインに観光バスを補完輸送として使用した中身の濃いツアーでした。   ところで、何のためにこういう観光列車を走らせるかということですが、JR北海道の経営が危機的状態で、ローカル線の存続が危ぶまれているということはもちろんなんですが、それまでは「地域の足」とお題目のように唱えられてきていたのに、実は地域の足になっていなかったという現実を直視したうえで、「では、どうやったら鉄道を守ることができるのでしょうか。」という私が就任以来いすみ鉄道でずっと展開し続けている、「ローカル線を地域がどうやって上手に使うか。そして、地域がどうやって這い上がって行って、共によくなるか。」ということを考えた場合、鉄道をツールとして、「目的地へ行くために乗る列車」から、「乗ることそのものが目的の列車」という意味合いを持たせることで、地域の広告塔になって、地域が有名になって、地域にたくさんの人が来て、地域が潤うのではないかということが、観光列車の大きな意味合いなのです。   JR北海道の経営危機の問題は、何もJRだけに原因があるわけじゃないと私は考えていて、例えば道内のある自治体では「出張へ行くときは高速バスで行くように。JRは高いから使うな。」と職員に指示してきた所もあるぐらいですから、まず地域住民が駅に足を運ぶことがない状況にあるわけで、30年間のうちに疎遠になってしまった部分を繋げるところから始めなければならないのです。   ということで、今回の観光列車のテーマは地域と鉄道とお客様をどうやって結びつけるか。 そこが一番重要なところで、いくら観光列車が富裕層を乗せて走っていても、地域が潤うような仕組みがなければ、インバウンドがいくら来ても地域はどうなるものでもありませんから、その部分をテーマに2泊3日の列車が走ったのです。   【1日目】   札幌から釧路までJRが用意してくれたのは4両編成の283系車両。 この形式の4両編成はなかなか貴重です。     新得駅からは特注の新得ソバ弁当を積み込みます。 ソバの町新得の味をお客様全員が楽しみました。     帯広に到着すると駅長さんと地域の皆さんがお出迎え。 私は帯広の佐々木駅長さんとは以前からの知り合いですので、再会を喜んで記念撮影。   幸福駅をまわって池田に到着すると・・・       池田はワインの町ということで、ワインの無料試飲と名物のバナナ饅頭の試食を配っていました。 バナナ饅頭ってご存知ですか? 池田駅前のよねくらさんが昔から作っている名物のお饅頭です。 もちろんワインもバナナ饅頭も販売用もありました。 札幌から来たおじさん(50歳)も、「昔、学生の頃、汽車旅をしていた頃よく食べたんです。」と懐かしがっていました。 今の時代、駅売りもなければ車内販売もありませんから、買いたくても列車のお客様は買えないんです。   池田を出た列車はすっかり日の暮れた根室本線を進んで次の停車駅白糠に到着。 ここはかつて白糠線というローカル線が走っていましたが、国鉄改革で多くの路線が廃止された第1号となったのが白糠線でした。 その白糠駅も、列車が到着すると大変なことになってました。(向こうのホームです。)     ホームでは大漁旗と白糠駒踊りの大歓迎。 この踊りは面白かったです。私もやってみたいと思いました。       駅前では地元名産のシシャモをあぶって、これまた地元の名産品のシソ焼酎「鍛高譚」の振る舞いです。 シシャモは金色した本物のシシャモで、ちょうど時間帯もよく、焼酎もうまかったですねえ。 こんなキャラクターも出てきて。 駅の改札口では白糠町の棚野町長さんが国鉄の制服を着てご挨拶。 国鉄時代のこんな切符を復元して、観光客に1枚ずつ配布。 それを町長さん自らが鋏を入れる「儀式」を披露されていました。 こういう文化も、きちんと残さないといけませんね。鉄道マンとのふれあいですから。 18時半に釧路に到着。 札幌からほぼ9時間かけて到着してみると・・・     ここでも釧路市の皆様方の大歓迎を受けました。   【2日目】   さて、2日目は朝7時20分の集合です。 皆さん集合してホームへ進むと・・・   おや、つるまる君がいます。   早朝から地元の皆様方がお菓子と地酒「福司(ふくつかさ)」を振る舞い。 さすがに朝なのでお酒をもらう人は少なめでしたが、残ったお酒は一升瓶に入れてもらって列車に積み込んであとできちんといただきました。 2日目の列車は「クリスタルエキスプレス」 ホームでカメラを構えて待っているのは、マニアではなくてテレビ局の報道陣です。 それだけ注目を浴びているツアーなのです。   釧路湿原駅に停まると、地元のサブレーの立ち売り。 釧路駅は釧路市ですが、釧路湿原は釧路町。 それぞれの行政がPRです。   塘路駅で列車を降りると、今度は標茶町の皆さんがお出迎えです。 ヨーグルトを無料配布している左の女性は、私の友人で標茶で養鶏場を経営している大木さん。 大木さんは卵を使ったシフォンケーキなども作られていて、差し入れをいただきました。 列車の中でみんなでおいしくいただきましたので ちょっと宣伝。   大木さんの ポロニ養鶏場 です。(←ここをクリック)   塘路からバスに乗って向かったのは私の所有する茅沼駅。 バスが停車しているのは私の土地です。 でもって、私の動輪。 MYドーリンです。 ホームの向こうの畑に丹頂鶴が来ているのが見えますか?   丹頂鶴の来る駅に、本当に丹頂鶴が来ていたので、お客様皆さん大喜びしていただけました。   茅沼からは弟子屈町の渡辺農園さんでジンギスカンのお昼ご飯。     お食事会場でご挨拶するのは弟子屈(てしかが)町の徳永町長さん。 歓迎していただいて、一緒にお昼を食べました。 この通り、豪快なジンギスカンです。 向こうの女性は台湾と中国からの参加者です。 モニターツアーですから、そういう方々もご参加いただきました。 農場ですから食事場所もこういう風景でしたが、これが観光客にとってはなかなか好評でした。 食事の後は硫黄山へ。 ここでもおもてなし。 アツアツの硫黄山の温泉卵。 おいしかったです。 川湯温泉駅から再び列車に乗りこみます。 ここで再び徳永町長さんが参加者全員にお土産を手渡されていました。 中身は大鵬せんべい。大横綱「大鵬」の出身地がここ弟子屈町なのです。 駅ではちびっ子たちがお囃子を披露。 列車を見送っていただきました。     列車が次に到着したのは知床斜里駅。 ここでも太鼓とお囃子の歓迎を受けました。 知らなかったんですが、ここ知床斜里は津軽と交流があるそうで、勉強になりました。 次の停車駅は浜小清水。 ここでも地域の皆さんから歓迎を受けました。     ここ、浜小清水は鉄道の駅と道の駅が一体になっています。 そういうところは鉄道の利用者でもお金が落ちますね。 本日最後の立ち寄り地ということもあって、皆さんたっぷり買い物をしていました。   2日目の目的地、網走に到着。 ふつうなら3時間で来る釧路ー網走間ですが、この日は11時間かけて到着。 これも観光列車ならではですね。   そうしたら、ここ網走でも地域の皆様から大歓迎。 地域の皆様の熱意が伝わってきます。   ということで、この2日間で各地でいただいたパンフレットや記念品などを並べてみました。   3日目は昨日のブログに書いた通りで、北浜駅と遠軽駅で地域の皆様方の歓迎を受けたのですが、ここまで沿線地域の皆様方が観光客に対応してくれたのも、北海道の地域の皆様方が観光鉄道の主旨をご理解していただいているということの表れだと思います。   そして、ここまでツアーの段取りをつけてくれた北海道庁関係者の方々や日本旅行の関係者の方々のご努力には本当に頭が下がる思いです。 JR北海道は会社としてたいへんな時期ですが、地域の皆様方や行政の皆様方が、こうして協力することで、JRばかりでなく、北海道全体の底上げになるのではないか。   私はそう考えています。   なぜなら、いすみ鉄道でできているのですから、北海道でできないはずないのです。   沿線地域の皆様、そして、ご協力いただきました関係者の皆様方、本当にありがとうございました。   何しろ、私が言い出しっぺですから、北海道の観光列車は何としてでも成功させて、実現しなければならないのであります。 close

北海道観光列車を走らせる意味。
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タグ 自己流ビジネス論 鉄道
投稿日時 2017-11-08 01:20:05

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