東京23区最大の面積を誇る足立区。その足立区を走る鉄道路線は、常磐線、東武線、TX。その鉄道の利に恵まれてこなかったのが、足立区西部地域です。地名でいえば、舎人（とねり）、伊興、鹿浜といったところでしょうか。交通機関は、東武・竹ノ塚駅や、JR日暮里駅・王子駅・赤羽駅などへ向かうバ…… more スがありますが、とにかく移動に時間がかかり、不便を強いられてきました。そこにさっそうと登場したのが、日暮里駅を起点に西日暮里駅でぐいっと北向きに針路を変えまっすぐ埼玉県川口市との市区境まで直進する、都営の新交通システム、名付けて「日暮里舎人ライナー」です！2008（平成20）年3月の開業時から活躍している、日暮里舎人ライナーの主力車両、300形です。ピンクと緑の帯が目じるしだよ！新潟トランシス製の車体長9000ミリ×5両の固定編成です。車体幅は2490ミリ。新交通システムとしては、そんなものかな?幅狭の新交通システムにありがちな、「戸袋窓なんか造ったら、車内が狭くなるじゃないか！」というわけで、国鉄「キハ30」以来伝統の外吊りの側面扉となっています。混雑対策を心配しすぎたせいか、片側はクロスシート、片側はロングシートと、中途半端な車内レイアウトになっています。混雑で定員大幅超過で走れなくなるよりはマシって考え方ですね。さすが、東京都交通局！かの国鉄よりはるか斜め上の官僚的発想には毎度おそれいります。実は初期車は1+2のクロスシートでした。乗客が集中すると運行に支障が出るから・・・ってそんなヤワな車体なの!?その後1列クロス+ロングシート、オールロングシートへ仕様変更されていきます。しかし、利用客数は年々増加！どうする、東京都交通局!?ちなみに、側面の外吊り扉は片開きとなっているにもかかわらず、駅のホームドアは両開き、やっつけ感が否めません。車両を製造した新潟トランシスとは地下鉄建設で、ドア仕様の細部を詰めなかったんですね、ああ、都営らしい詰めの甘さ！日暮里・舎人ライナーの軌道や駅を建設したのは、東京都の三セク企業で都営地下鉄・大江戸線を建設した「東京地下鉄建設株式会社」です。ああ、お役所仕事か・・・ってその前に、社名！「地下鉄建設」なのに、高架線の建設をするって、名前なんかどうでもいいのね・・・。ところで、都営300形ってこの車両となんか似ていませんか?お台場電車「ゆりかもめ」登場（←「お台場電車」はりんかい線ね）。ゆりかもめ7000系といろんなところがそっくりな外観です。前面の屈折形状、非常扉、前照灯・尾灯、スカート形状・・・編成番号を左右逆にしたのは、絶対わざとだよね！ゆりかもめ7000系・7200系は、車体長9000ミリ、車体幅2470ミリと都営300形より若干細めながら、6両固定編成となって輸送力を確保しています。というより、日暮里・舎人ライナーのほうが、開業後の混雑を読み切れなかった編成といった方がいいかもしれません。「今の混雑っぷりを見れば、都営交通の稀有な成功例といえますよねぇ」日暮里・舎人ライナーは純然たる都営交通なので、銀杏マークがついています。ゆりかもめ（旧・東京臨海新交通）は都知事が大量の株式を保有する第三セクター。都営交通に近いけど・･･「都営」じゃなくて三セク会社「ゆりかもめ」なのよね。したがって、銀杏マークはなし！それにしても、お顔が本当に似ているんですよね。7000系の製造は多数が日本車輛の手になりますが、実は一部新潟トランシス製の編成もあります。つまり・・・都が絡んでる、新潟トランシスで製造ということは、7000系の設計図、300形用にちょこっと引き直しただけ? close

日暮里・舎人ライナー・300形～鉄道不毛の地、足立区西部の足となれ！