4週べた褒め企画その2。今年もまあ色んな駅に行かせてもらったが、今年もイロモノが多かった。　普段から思っていることを言わせていただく。駅というものは上辺だけ見れば良いものではない。駅があり発展したもの、衰退したもの、人とのつながり、人の人生……それらをひっくるめた「歴史」というも…… more のがどの駅にもある。駅一つをちょっと見ただけで小汚いだとか新しいだとかそんなことしか言えない浅い連中に説教じみたことを言うのも疲れるので相手にしない（ステージが違う）と思うしかないが、単なる通過を完乗とドヤ顔をしている鉄オタも一度なんてことのない駅に降りてみてその駅の歴史を調べて頂きたい。それが駅に対するリスペクトであり、旅の醍醐味でもある。亦、散見されるのが木造駅舎に対して「自分の生まれる前からのものに傾倒してどうすんの？」。この考え方に私は全く賛同できない。視覚的に見て新しい物、綺麗な物＝正義としか考えていない者達に何を言っても仕方ないが、敢えて言えば生まれるよりも遥か昔からあるものは「あって当たり前の物」且つ「新しい物」である。前者は物理的に、後者は精神的・感情的に、である。一見、2つは矛盾を孕んだ言葉に見えるが、あって当たり前というのは地元で培われた歴史である。それをヨソモノは「見たことのない物」として学ぶのである。昨今耐震化や合理化により木造駅舎は姿を消し、都会にはありふれたようなコンクリート駅舎ばかりが目立つ。そのようなコンクリートジャングルに生まれた若者には木造駅舎というものが鮮明に映る。木造駅舎に限った話ではない。これは昨今の自販機メシブームも同じものである。　神社にしろ城にしろ駅にしろ、積み上げた歴史こそが価値である。未来を見るというのも大事だが、未来は過去があってのものである。コメにしろうどんにしろ、古代の人々の知恵を発展させ現代に至っている。残さねば本当に未来には何も残らないのである。今現在駅がある場所は「何もない」わけがない。歴史があり、駅を利用する人がいる。天空の駅と呼ばれる駅では何十年も駅ノートを管理しそれを励みにしているおばあちゃんがおる。ドラマの舞台になった木造駅舎では何十年も花瓶の花を取り替え続けているおばあちゃんがおる。何処かの駅では今日も利用者に気持ち良く利用してもらおうと無人駅を掃除している住民がおる。新しいものとして歴史を残してくれる人々に我々は感謝せねばならない。それが世界遺産であろうが、いち地方の無人駅であろうが関係ない。高度な文明を持つようになった生物にとって、歴史というものが存在したのならばそれば必ず残さなければならないものなのである。そしてそれを伝えていく人も必要なのである。 close

路地裏見聞録的この駅がすごい！2017