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【編集長のつぶやき vol.528】 決算報告書から見た鉄道事業者の「セグメント」。数字には現れない「取り引き」がある?
まちおこし編集長の取材ノート
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概要

2017.12.27 今回は、前回予告したとおり、「鉄道事業者」という企業体の知名度・ブランド力の評価が、決算報告書のセグメント別会計という「帳簿」からどこまで読み解けるのか、というお話しです。   上場企業は、決算報告書の中でセグメント(部門)別に営業収益や資産…… more ・負債を集計していますが、近鉄や相鉄などの大手私鉄グループは、鉄道を中心とする運輸部門以外で全体の8割を稼いでいるという数字は、この部分から判明しているものです。   そしてその「セグメント別」の表を見ると、「セグメント間の内部営業収益又は振替高」という項目と、「のれんの償却額」「有形固定資産及び無形固定資産の増加額」という、気になる項目があることに気が付くでしょう。   「セグメント間の内部営業収益又は振替高」とは、その名の通り、グループ内部のセグメント間での「売りました」「買いました」という取引を相殺したもの。 実際に何が取引されたのかは不明ですが、例えば近鉄や相鉄の場合、外部顧客への販売額に比べれば、微々たる数字となっています。   一方、「のれんの償却額」とは、外部の企業を買収したり吸収合併した際、帳簿上には記載されていない資産(ブランドや顧客リストなど)を、一定の年数で償却するもの。 「有形固定資産及び無形固定資産の増加額」とは、有形固定資産(機械設備など)と無形固定資産(特許、商標、営業権など)を、同じく一定の年数で償却するものです。 こちらも、具体的に「何が」償却されているのかは分かりません。   結論から言うと、「鉄道事業者」という企業体の知名度・ブランド力の評価を分析する際、決算報告書のセグメント別会計を見る限りにおいて、グループ内でどのように取引されているのかは「不明」ということになります。 (もっとも、厳密な会計学の見地から見た訳ではありませんから、知見のある方にはご教示願いたいところです)。   ただ、不動産のセグメントにしろ、ホテル事業のセグメントにしろ、鉄道を中心とする運輸事業のセグメントが有する「冠」に大きく依存していることは明らかでしょう。 実は、「不明」の細目の中には、ロイヤリティーや商標のような形で、運輸事業のセグメントから他の事業のセグメントへ、「のれん」や「無形固定資産」のようなものが「取り引き」されているのかも知れません。   となると、鉄道を中心とする運輸事業のセグメントは、帳簿上の評価以上に、その「収益」は大きいように思います。   しかし逆を言えば、運輸事業からの「のれん」や「無形固定資産」のようなものが大き過ぎると、他のセグメントにとってはそれが重石となり、成長分野の足かせとなる可能性もあるでしょう。   むしろ、他のセグメントが100%子会社になっている場合は、「のれん」も「無形固定資産」も運輸事業のセグメントがタダもしくは低額で貸与する代わりに、その子会社はじゃんじゃん利益を上げて、「株の配当」という形で還元する方が分かり易い、と言えるかも知れません。   余談ですが、かなり以前、とある分譲事業を手掛けていた電鉄系不動産会社を取材した際、土地所有者であり親会社でもある電鉄との「鬩ぎ合い」のようなものを垣間見たことがあります。 セグメント間の「取り引き」については、決算報告書では分かり得ない、様々な「内部事情」もあることでしょう。   となると、先週のお話しに戻りますが、現況では国土交通省所轄の独立行政法人が100%株主で、売上の半分強を運輸事業のセグメントが占めるJR北海道は、こうした「内部事情」をもっとオープンにする必要があると思いました。   「のれん」や「無形固定資産」で直接運輸事業のセグメントが稼ぐのか、子会社からの配当で回収するのかはさておき、或いは他のセグメントの収益が運輸業の慢性的な赤字を補填し続ける構造をよしとするか否かはさておき、あくまでも「鉄道事業の維持」が目的ならば、グループ全体が目標とする「収益構造」を明らかに示すべきでしょう。   ニュース投稿やご質問・ご相談はこちら P R ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ close

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タグ 編集長のつぶやき 鉄道
投稿日時 2017-12-27 09:00:06

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