千葉県の東端を走る銚子電鉄のコトです！旅客列車は、次々と新しい車両（とはいえ中古ですが）に更新されています。その一方で時代の波に乗れずに、本線から姿を消した名物車両がいることも記憶にとどめておきましょう。そして波から落っこちたかわいそうな子もいるわけでして。本線上に出ないとはいえ…… more 、仲ノ町駅隣接の車庫で大事に保存されている電気機関車「デキ3」は勝ち組保存車両ということができるでしょう。2009年ごろ、仲ノ町車庫にいた「デキ3」です。その後ツートンカラーに似りなおされたり、グレーの車体でファンを驚かせたりしている機関車です。「ウチのデキさまは現役なんですけど、何か!?」予算上の都合で車籍が外されており、もっぱら仲ノ町車庫内を行ったり来たり。ファンや有志の手により、動態保存がされていますので、車庫内を自走できるんです！デハ802と一緒に仲ノ町車庫にいるデキ3です。こうしてみると、ごくごく小型な機関車であることがわかりますね。1922（大正11）年にドイツのアルゲマイナ社で製造された歴史ある車両です。この小さな機関車が、ヤマサ醤油の原材料を運んだり客車をけん引したりしていたとは、にわかには信じられません。高速運転が必要ない銚子電鉄ならではの活躍だったんでしょうね！塗装変更のほかにも、ビューゲルがポールに戻されるなど何かと大事にされている機関車です。実際にみると、「きかんしゃトーマス」に出てきそうなかわいいサイズとクラシカルな外観をもった車両だと感じられるんじゃないかと思います。一方で、さびしく銚子電鉄を去って行った車両もいます。ご訪問者の皆様は、NHKの朝の連ドラ「澪（みお）つくし」をご記憶でしょうか。1985（昭和60）年の上半期の放送でしたから、もう32年も経つんですね。主演が、当時19歳のあの沢口靖子さんだったんですよ。おお、国鉄のオレンジカードに沢口靖子（若い）！そして、このドラマの舞台が銚子だったんです。終着駅の外川駅もたびたび画面に登場しましたそして「澪つくし」といえば･･･外川駅のすみっこでたたずむ「ユ101」澪つくし号のコトです。（現在は笠上黒生駅にいます→解体処分されました）そして、ドラマの人気にあやかって、トロッコ列車を走らせよう！と登場したのが「澪つくし号」でした。1985（昭和60）年に国鉄のワム80000形有蓋車を改造して「ユ101」形客車として登場、「ユ」は遊覧客車のことで、銚子電鉄では唯一の「ユ」車両です。車内はクロスシート配置の、固定式の木製テーブルとベンチが配置されていました。当初はデキ3形機関車が、のちにデハ801やデハ1001が牽引し、おもに夏休みの時期に「納涼列車」として走りました。しかし、銚子電鉄が路線長がわずか6.4キロのミニ私鉄であり、機回し線もないことから、牽引にはかなりの手間がかかったようです。ドラマの記憶も、沢口さんの写真も色あせていく中、これといった目玉企画も打ち出せず、2007（平成19）年、休車となり、その後車籍も抹消、廃車となりました。外川駅、のちにデハ101がいた笠上黒生駅の側線に留置されていました。銚子電鉄では保存の予算が捻出できるわけもなく、荒廃が進んでいました。でも･･･よく頑張ったよね！、「ユ101」！どこかで引き取ってくれるとよかったんですけどね・・・。※しつこいですが、解体処分の憂き目にあいました。「澪つくし号」の太平洋の波を図案化した塗装については後日談がありますので、近々ご紹介のコトです！ close

銚子電鉄・明暗を分けた退役車両～デキ3機関車とユ101「澪つくし号」のコト！