鞆(とも)鉄道は、広島県福山市の福山駅と松永駅を中心に、沼隈半島各地へ路線を展開する古参の事業者です。設立は1910年とかなり古く、社名からもわかるように、もとは福山-鞆間で鉄道事業を行っていました。1954年に鉄道事業が廃止されて以降は、バス事業を中心に手広く事業を行っています…… more 。車両は日デとふそうを中心に導入しており、富士重工製車体を架装した車が多かったことでも知られます。特に、2018年現在で富士重工5Eが残っている数少ない事業者で有名です。今回は、生え抜きのP-,U-大型車を取り上げます。福山22く919車番:N8-155P-UA32L1988年式まずはトモテツで一番有名であろう日デP-UA+富士重工5E。近年まで複数台残っていましたが、現在はN8-155が最後の1台になってしまいました。旧沼隈町の新川営業所に配置されているため、松永駅発着の路線に入ることがあり、トモテツの路線網の要である福山駅で待っていても来ない可能性があるのが悩みどころです。この頃のトモテツの大型車は、L尺のエアサス前中引戸が標準的な仕様でしたが、この後にコロコロ変わっていきます。福山22く966車番:N8-159P-U33L1988年式5Eに少し遅れて導入された日デP-U+富士重工7E。リーフサスかつ前中4枚折戸に仕様変更がなされており、見た目が一気に都会の路線バスっぽくなりました。ただし、翌年に導入された車はK尺(短尺)かつリーフサスで黒サッシの前中引戸仕様になっています。映画「崖の上のポニョ」の舞台のモデルと言われている鞆の浦の宣伝塗装になっており、末期は鞆線で使われていました。鞆線は廃止された鉄道線とほぼ同じルートで、昼間でも20分間隔で運行されている、トモテツで最も本数の多い路線です。なお、トモテツのP-の車までは、ふそう+富士重工の組み合わせも多数導入されており、P-MP+7Eも1台のみ導入されました。福山22く1104車番:N1-162U-UA440HSN1991年式続けて導入された日デU-UA+富士重工7Eは、前年に導入された車に続きH尺(短尺)でリーフサスの前中引戸仕様になりました。コロコロ仕様が変わっているものの、導入台数が多くないため、どのスタイルも数は多くありません。撮影時は福山市のばら祭をアピールするために毎年作られている「ばらバス」塗装になっていました。福山22く1148車番:N2-166U-UA440HSN1992年式こちらも日デU-UA+富士重工7E。近年一部のお色直しがなされたようで、社名表記が漢字の鞆鉄道からカタカナのトモテツバスに書き換えられているほか、バンパーが緑色に変わっています。幕に書かれている「千歳橋」は、新川営業所の最寄りバス停で、松永駅と福山駅からの路線の終点になっているほか、松永駅⇔鞆や福山駅⇔阿伏兎などの路線も経由します。福山22く1296車番:N4-169U-UA440HAN1994年式U-末期になると、リーフサスからエアサスに仕様が変わりました。行先の常石は旧沼隈町北部に位置し、造船所があるほか、百島・向島・尾道へのフェリーが発着しています。 close

鞆鉄道 その1(大型車①)