下津井電鉄は、岡山県岡山市と倉敷市にバス路線を持つ事業者です。社名のとおり1991年までは鉄道事業を運営しており、ナローゲージの鉄道で有名でした。バス路線は下津井電鉄線の中心駅だった児島と倉敷を結ぶ路線を中心に、岡山市中心部への路線や児島周辺のローカル路線も運行しています。以前は…… more 岡山と鉄道のなかった児島を結ぶドル箱路線がありましたが、JR瀬戸大橋線の開通後は本数が激減し、現在は1日数往復程度になってしまいました。営業所は児島とJR茶屋町駅近くの興除(こうじょ)にあります。車両は日デと日野のシャーシに富士重工か西工の車体を組み合わせた車が多く在籍していますが、近年はいすゞ車や移籍車の導入が続いており、陣容も様変わりしています。今回は、日デのP-からKC-までの大型車を取り上げます。岡22か2300車番:N529P-UA32L1985年式まずは日デP-UA32L+富士重工5E。下津井電鉄に多数在籍した5Eですが、この車が最後の1台として残っています。全国的にも5Eの現役車が少なくなる中、この車はパネル車のいわゆる「前期型」であることが特筆されます。下津井電鉄の扉配置はコロコロ変わっており、70年代後半から90年代にかけて、前後折戸→前中引戸→前後折戸→前中折戸と推移したため、前中引戸の5Eも存在しました。撮影時は幕を回していたので倉敷駅の幕になっていますが、現在は路線運用に入ることはほぼないようで、スクールバスとしての活躍がメインになっているようです。岡山22か3279車番:N146U-UA440NAN1991年式下津井電鉄は日デと富士の組み合わせが多い傾向にありましたが、1989年に日野P-HU+西工58MCが導入され、続いて日デU-UA+西工58MCも導入されました。もともと貸切車に西工は多かったものの、西工の大型路線車はP-HUで初登場となりました。画像の車長らく児島競艇のラッピング車になっており、下電最後の58MCとしても活躍していましたが、2018年に廃車になりました。岡山22か3280車番:N147U-UA440NAN1991年式日デU-UA+西工58MCは91年式2台のみの導入となりました。エアサスの逆T字窓、ハイバックシートやカーテンといった仕様は当時の下電では標準的なものでした。ちなみに、車番のアルファベットはシャーシメーカーと車の大きさを、3桁の数字の上一桁は年式の西暦の下一桁を表しており、残りの下二桁は導入順につけられた番号になっています。Nは日デの大型車を表しています。岡山22か3453車番:N254U-UA440NAN1992年式前年は西工58MC架装で導入された日デU-UAでしたが、この年から富士重工7E架装に戻りました。こちらも児島競艇のラッピング車として活躍しています。岡山22か3455車番:N256U-UA440NAN1992年式下電はラッピング車が多い傾向にあり、撮影していてもなかなかラッピングのない車が来てくれません。下電は一条工務店と提携して住宅事業も行っており、画像のような一条工務店のラッピング車も存在します。岡山22か3575車番:N328U-UA440NAN1993年式1992年までは前後折戸で導入されていましたが、1993年からは前中折戸になりました。日本のジーンズ発祥の地である児島をアピールするラッピング車は複数台おり、児島駅や倉敷駅でよく見かけます。倉敷200か57車番:N447U-UA440NAN1994年式倉敷ナンバーの交付が開始されると、倉敷市にある児島営業所と岡山市にある興除営業所で車両の転属が発生した場合に、ナンバーを再登録する必要が出てきました。画像の車も以前は岡山ナンバーでした。現在はシートベルトなどを設置して瀬戸大橋線で使われており、終点の与島第二駐車場前で琴参バスの坂出駅行に乗り換えられます。岡山200か4099車番:N852KC-UA460NAN1998年式1994年以来4年ぶりの大型新車としてワンステが3台入りましたが、そのうち1台は日デKC-UA+西工96MCでした。下電のこれまでの仕様をほぼ変えず、96MCかつワンステ、それも新塗装という形になっています。 close

下津井電鉄 その1(大型車①)