【コラム】警告文書発表から1年、北海道の鉄道は何が変わった?の詳細

【コラム】警告文書発表から1年、北海道の鉄道は何が変わった?
北海道の鉄道情報局
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記事タイトル 【コラム】警告文書発表から1年、北海道の鉄道は何が変わった?
概要

久々のコラム記事です。管理者は日頃から写真をパシャパシャ撮影してその様子をお伝えしているわけですが、そのようなことをやっているだけでは、やはり北海道の鉄道において一番重要なことを忘れてしまいます。いわゆる一道民としての危機意識ですが、改めて振り返ってみたいと思います。1年前の12…… more 月6日は、何の日か覚えていますか?以下の資料がJR北海道のニュースリリースより発表された日です。「声明」と題したこれら4ページにわたる資料は、昨年12月6日付でJR北海道のホームページのニュースリリースに掲載された『平成29年12月6日再生推進会議有志による声明文に関する当社の受け止めについて』です。現在もホームページから閲覧することが可能なので、閲覧者の皆さまも時間の許す限り目を通してみてください。管理者は、これを将来的なJR北海道の破綻を意味する警告文書だと思っています。まずは、JR北海道再生推進会議の役割について紹介します。JR北海道では過去に、相次ぐトラブルや不祥事によって2014年1月24日に国土交通大臣より「輸送の安全に関する事業改善命令及び事業の適正かつ健全な運営に関する監督命令」を受けました。そこで、第三者による外部からの視点に基づき、再生に向けて安全対策等の実行に関して監視し、助言を行うとともに、将来に向けた追加対策等に向けた提案を行う常設の組織を設置することが求められました。会社そのものの状況を改善するために、企業風土にまで踏み込んだ抜本的な改革が必要であり、改ざんなどの悪弊を根絶するため、コンプライアンスや企業の経営のあり方などを幅広く外部の視点から助言を頂戴すべく設置された機関、それがJR北海道再生推進会議です。JR側にも自治体側にも属さず、幅広い視点で物事を捉えることができる第三者機関です。同委員会は議長を含め、委員8名で構成され、委員の中には現職の北海道知事も含まれています。昨年発表された中で特に印象なのが、「これまでのような時間の浪費は、もはや許されません。」この一文は4ページの最後に記載されています。1年前に時間がないことは宣言されているんです。ここで閲覧する皆さんに質問ですが、この1年で北海道の鉄道は何か変わりましたか?・キハ261系を投入して「北斗」を置き換えた・733系を増備して利便性が向上した別に採算がとれる訳ではないので、上記のような2点はどうでもいいんです。少しづつですが、路線の在り方、見直しについて昨年よりは進展しているものの、昨年の12月6日から廃止された路線は1つも発生していません。廃止予定の路線も含めるとすれば、石勝線の夕張支線が来年の3月31日をもって廃止されます。いや、これは管理者の言い方が誤りでしたね。鉄道事業法によって、路線を廃止にする際にも決まりがあります。鉄道路線を廃止する場合、廃止とする日の1年前までにその旨を国土交通大臣へ届け出なければなりません。これは、鉄道事業法第二十八条の二で定められています。ちなみに、石勝線夕張支線の廃止が正式に我々に発表されたのが今年の3月26日でした。路線を廃止とする1年以上前に既に発表・届け出していることで廃止届が正式に受理されます。いきなり、数ヶ月後・数日後に廃止する等、鉄道会社独断で廃止日を決めることはできません。こうしてみると、声明文書が発表されて以降、路線の廃止はスケジュール的にも厳しく、夕張支線のように廃止届が受理されるまでが精一杯です。不採算路線の整理・対応がそこまで進んでいれば問題ありませんが、石勝線の夕張支線以外は廃止届を提出した路線・線区はありません。ようやく札沼線の北海道医療大学~新十津川間と日高本線の日高門別?~様似間が代替交通の検討に入りましたが、まだまだ正式に廃止となるまでは、鉄道事業法第二十八条の二のとおり、少なくとも1年以上先になってしまいます。このように、昨年の今日、時間の浪費が許されないことが声明文書によって発表されたわけですが、残念ながらこの1年で不採算路線を整理の進展は十分だったとは言い難いです。この状態が続くと、大変な事態に陥ってしまいます。それは、2017年1月24日に地元メディア(HBC北海道放送 今日ドキッ!)で2020年度末までに資金不足に陥り、全道で列車の運行ができなくなると試算した内容が報じられました。今現在が2018年度で、あと2年と少し(3年後の3月)で北海道の鉄道は設備投資や列車の安全運行に必要な修繕などができなくなり、全道で列車の運行ができなくなる、事実上の破綻に陥るわけです。不採算路線を維持し続けると、列車を運行するために必要な保全・設備の修繕費用は「安全投資と修繕に関する5年間の計画」によって国から支援を受けた1200億円から出されます。不採算路線を維持し続けると、ここから資金を出すことになり、維持し続ければし続けるほど、国からの支援金が底をつくのが前倒しされます。なので、不採算路線の整理は早急に実施しなければなりません。もしかしたら、試算した時期そのものが前倒しされるかもしれません。その間に大規模な地震(胆振東部地震)や、これからやってくる厳冬期などの自然災害によって修繕・復旧や除雪費用の負担が増えるかもしれません。特に後者は現時点で札幌市内で積雪が確認されておらず、そのような状況でも結局は降雪量は例年大きく変化しないので、溜まったものが一気にドカッと降り積もり、それが列車の運行に支障をきたすわけです。これら輸送障害で列車の運行ができなくなれば、その分収益もマイナスになります。また、北海道新幹線も設備の修繕費の関係もありますが、収益増に貢献することなく、結果的に経営の足を引っぱっています。やはり当初の予想どおり、管理者は北海道新幹線は不要・反対でした。やはり航空機並みの速達性、または極端に低い運賃・利用料金を実現しないと新幹線で東京⇔北海道の人の行き来は難しいでしょう。実は昨冬に列車を撮影中に本州からやってきた鉄道ファンの方何名かとお話をさせていただく機会がありました。話を聞く限りでは、北海道までの交通手段は航空機のようです。特にLCCが人気のようで、速さと安さの両方を兼ね備えた移動手段が昨今必要とされています。単純に新幹線は技術力の結晶を見せつける・披露するためのステータスだと思っています。北海道の鉄道が生き残るためには、どうしたらよいでしょうか。今年は興味ある話題がたくさんあったので、時間を見つけて取り上げていく予定ですが、それこそ経営資源の選択と集中という考え方が必要です。管理者としては、・新千歳空港へのアクセス向上を含む札幌圏の輸送改善・不採算路線の整理まずはこの2点に絞って実施すべきです。機会があれば追々別の記事で掲載したいと思いますが、新幹線は二の次、三の次で、4時間を切るダイヤを実現したとしてもあまり意味はないでしょう。管理者だったら、東京と函館を2時間~2時間半程度、札幌まで3時間から3時間半程度で結ばれたら利用してみたいです。リニアぐらいの速さを持った車両が登場してようやく利用してみたいなと思っているところです。あとは、札幌圏の輸送改善は新千歳空港駅とその周辺のルートが改善されることを含めるのであれば、少なくとも札幌~千歳間は複々線化すべきだと思います。資金調達が困難なので、このような贅沢な話は実現しませんが、快速「エアポート」の増発を支えるには、現在の設備では限界であり、いずれは複々線化が必須だと考えています。当ブログでは、声明文書が発表されたこの1年間もさまざまな内容を取り上げてきたと思います。その間管理者は、気になった鉄道車両やそれに関する話題ばかりを取り上げ、1年前に発表された声明文書をいつしか忘れていました。一道民としてこれは反省しなければなりません。ですが、JR北海道が危機的状況であり、いつか事実上破綻してしまうという危機意識を持っていない方々が多いと思います。そうした内容をニュースや新聞等で毎日取り上げるわけではなく、一度は取り上げられるものの、時間とともに忘れ去られてゆく・・・。管理者も同じような状態に陥ってしまいました。なぜ、そのような状況に陥ってしまったかを改めて考えてみました。すると、資金不足に陥ると試算されている瞬間(とき)まであと2年と少ししかないにも関わらず、それとは裏腹に高額なキハ261系や733系などの新製車両を次々と投入していることが、一種の錯覚を覚えてしまいました。しかしこれも、来年度からはおそらくどれくらい投入できるかわからなくなってくるでしょう。理由は上述でも紹介しましたが、車両の老朽取替は今のところ「安全投資と修繕に関する5年間の計画」で国から支援した1200億円で賄われています。これは車両の老朽取替だけでなく、保全や設備の修繕なども含まれています。キハ261系は今年度投入した分を含めて67両が今後製造される予定で、キハ183系、キハ281系、キハ283系を次々と置き換えていくことになりそうですが、車両の老朽取替や車両の修繕、設備の修繕等に必要な「安全投資と修繕に関する5年間の計画」は今年度で終了します。支援が打ち切られたとしても、1200億円の中にキハ261系67両分やH100形の製造費用が含まれていればいいですが、含まれていなければ、今年度発注した分で増備は打ち切られ、老朽化した車両の置き換えも2020年度以降は難しくなってくるでしょう。そして、この支援が底をつく2020年度末に列車の運行ができなくなる、事実上の破綻が待っているということです。そして記事作成中に話題を見つけ、12月から北海道知事が動き出したそうですが、今更何を実施するというのでしょうか?これをもっと早くやっていれば、もう少し余裕が生まれていたのかもしれません。現職は次の知事選には立候補せず、参院選に立候補するようです。ここで手腕・実績を残しておかないと間違いなく影響することになりますから、来夏の参院選までに何とか基盤だけでも構築しておくという一種の戦略のようなものが読み取れます。ダラダラとまとまりのない記事になってしまいましたが、いずれにしても残された時間は本当にないということを閲覧する皆さんには頭の隅にでも入れていただければ幸いです。管理者は、一道民として、北海道の鉄道ファンとして、よりこうした問題を真剣に考え、意識しなければならないということを今回の記事を作成して改めて感じた次第です。収益が悪化するばかりであり、不採算路線の整理が思ったよりも進んでおらず、この先北海道の鉄道がどのようになっていくのか、本当にわかりません。1年前と比較して、何か変わったかと問われると、特に何も変わっていません。残された時間は2年と少し。次第に何らかの形で物事が進展し、北海道の鉄道が残れるように、当ブログでも何か力になること、お伝えしたいことがあれば記事にしていきたいと思いますので、今後も当ブログをよろしくお願い致します。↓ブログランキングにご協力お願いします↓ にほんブログ村人気ブログランキング close

【コラム】警告文書発表から1年、北海道の鉄道は何が変わった?
サイト名 北海道の鉄道情報局
タグ コラム 鉄道
投稿日時 2018-12-07 10:00:08

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