昨日の記事で触れたように、現在、一部の編成がＬ／Ｃカーとなっている近鉄２６１０系は、元々、４扉ながら固定クロスシート（ボックス型）車だった。　登場したのは１９７２年。当時、旧性能車で運転されていた急行列車の置き換え用として設計され、当初から冷房付。大阪・伊勢間などの長距離運用を…… more 考慮し、クロスシートでトイレ付となった。　２枚目の写真では、一番手前に写っているのが２６１０系で、窓から垂直に立った背もたれが見える。　車内は、扉間にボックス席を二組配したため、国鉄の１１３系などより狭かった。シートには肘掛けがなかったため、通路側の人は大抵足を通路に出して斜め座りをしていた記憶がある。　クロスシート仕様のため、側窓の下辺が低く、窓の開口部が大きいのが特徴。このため、ロングシート化された際にも背もたれが低くなっている。　ずいぶん昔に、奄美屋が１６番スケールで車体キットを発売したことがあるのだが、この窓高さが再現されておらず、ロングシート車仕様となっていた。　初期車は経年４６年になる２６１０系だが、現在も全１７編成が健在。全車がロングシート化されたが、一部の編成がＬ／Ｃカーに再改造されている。　大阪線運用では、ロングシート車ながら上本町発の宇治山田・鳥羽行き急行に充当されることも多く、健脚を活かして急勾配の続く鈴鹿山脈越えを元気に走っている。 close

近鉄２６１０系～固定クロスシート時代