自動車王国・群馬で頑張る地方私鉄の一つ、上毛電鉄です。始発駅の中央前橋駅にやって来たのコトですよ！両毛線の前橋駅とは約1キロ強離れていまして。で、両毛線より上毛電鉄のほうが前橋市の中心部に近いんです。県庁や市役所はどちらからも離れているという、鉄道が主役になれない県･･･。192…… more 8（昭和3）年の開業以来、空襲にあったり、テナント撤退の憂き目にあったり、というわけで、現在の駅舎は3代目。2000（平成14）年末に供用開始された、ガラス張りのかっちょええ駅舎です。ま、そのかっちょええ駅舎も、入ってくる電車は700型。（元井の頭線3000系ですよ）自動改札機なんて気の利いたものはありません。（ワンマン運転ですし）とはいえ、さすがに20世紀末ぎりぎりに完成した駅舎。快適仕様も万全です。駅舎のホーム側にある待合室です。なにせ前橋は熊谷や館林ほどではないものの夏はじりじりとバカみたいに暑く、冬はからっ風がアホみたいに寒いんです。そんな中空調の入った待合室はちょっとしたオアシスですよ。待合室隅っこのほうに、「上毛電気鉄道(株)」のダルマがいました。高崎のダルマじゃ･･･ないよね。県都前橋市と、商都高崎市は、利根川をはさんでにらみ合いを続けてますから。おそらく、埼玉県の旧浦和市と旧大宮市より、反目度合いは大きい。と思います。さて、オアシスといえば水分（さすがにココヤシはないので）。駅舎の自販機は、鉄道むすめの上電一推し「北原ゆうき」ですね。この子ね。鉄道事業者の中の人の間では、案外評判がいい･･･らしいです。駅舎の外側、バスロータリー側にも自販機があります。こちらは人気で埼玉県の「コバトン」を完膚なきまでに叩きのめした群馬県のゆるキャラ「ぐんまちゃん」のデザインです。ただし、上電オリジナルで左が700型、右はデハ101バージョンです。リベットの跡までデザインされていますね。中央前橋駅のホームは3面2線。2本の線路を両側から挟むように、写真左から単式の1番、島式の2・3番、単式（元島式）の4番と3面のホームがありますが、現在活用されているのは真ん中の2・3番線ホームだけのようです。「2←今度の発車は→3」の表示が、なんとも昭和レトロの復刻版。さすがに白熱球ではなくLEDなんでしょうが･･･白熱球かもしれませんねぇ。上毛電鉄さんですし。昼間は40分に1本ペースなので、今度の発車じゃない2番線の電車の運転士さん、駅の休憩室で待機してるはずです。この料亭によくある「ぽわぽわ」したの、なんていうんでしたっけ。電車の停車位置付近から駅舎方面を振り返ります。駅舎は平成の建物っぽいのですが、ホームのコンクリタイル敷や上屋の古レール鉄骨を見ると、結構古い時期のものが残されていますよね。1945（昭和20）年8月5日の前橋空襲で、米軍の空爆を受けた前橋市ですが、上毛電鉄・中央前橋駅も被害をこうむり、仮駅舎でしばらく営業し続けたとか。1971（昭和46）年に先代の駅舎「上電プラザ」が完成しますが、そのころにはできてたげなホームと上屋ですよね。細っこい4番ホームもかつては島式ホームだったことがわかります。今やレンタサイクルの自転車置き場です。地方私鉄で経営が楽なとこなんてありません。それにもかかわらず、大胡車庫を年1回は開放してイベントをやってくれたり昭和3年製の、営業運転ができる電車としては最古のデハ101を時々動かしてくれたり・・・電車大好きのお子様も、鉄分高目な大きなお友達も、上電に感謝のコトですよ！縦型駅名表は、広告を入れる絶好のレイアウトなんですよね。と思ったら、自立型の駅名標にもしっかり広告が入っていて油断できません。現在、上毛電鉄のほとんどの駅の自立式駅名標には地元の「しののめ信用金庫」の広告が入っているそうです。広告収入もばかにはできないし、「しののめ信金」自体が2007（平成19）年に3信金が合併してできたということもあり、広告を出しているようです。しののめ信金の本拠は、どちらかというと「上信電鉄」の沿線なんですけど。ホームの先端付近に来ました。4番線・5番線は18メートル車2両編成の長さもありません。右側にいる700型（元京王3000系）、1両半といった長さです。デハ101なら大丈夫そうですね。今は使われておらず何も立っていない4番ホームにも、かつては自立式駅名標や縦型駅名標もあったんです。ホームの向こうは広瀬川。けっこう水面が近くて、ちょっと怖い。2番ホームで待機中の700型を撮ってみましたが、ホームの先の穴ぽこ、これ整備用のピットかな。そして、2番ホーム先端の足元には、「0.1キロポスト」がこっそり生えています。ここから100メートル下がったら･･･駅舎を突き抜けて、県道を渡ったあたりになっちゃいます。元の0キロポストのあった位置、謎です。さて、駅を出てみましょう。群馬県は自動車王国、と書きましたが、正確にはマイカー王国。群馬バスや上電バス、日本中央バス、関越交通などの路線バスがありますが、路線網はちょっと貧弱かな。さっきは停まっていなかった、写真右側の上電の中型バス。博物館でしかお目にかかれないようなシロモノですぜ。こっちは新車！中央前橋駅と両毛線・前橋駅を結ぶ日本中央バスのレトロ調バスです。循31系統、料金は100円です。現金でご用意くださいね！ close

上毛電鉄・中央前橋駅～前橋市の中央!?　自動車王国・群馬でがんばる上毛線の起点です！