中央本線の敷設には、東京から山梨、山梨から長野へ抜ける山が難関としてはだかりました。断面の小さいトンネルや、勾配区間に設けられたスイッチバック駅が、難所であったことを物語ります。さて、現在は多くのスイッチバック駅が普通に本線上のホームで着発し、スイッチバックの意向が失われる中、現…… more 役でスイッチバックの設備が利用されてるこの駅に行ってきたのコトですよ！しっかり、ちゃっかり、はつかり駅です。485系ではありません。余談ですが、勝沼ぶどう郷駅には、スイッチバック設備は使用されていないものの整備されて残されているそうですので、こちらはまたご紹介というコトで。さて、初狩駅ですが、開業は1908（明治41）年と古く、現在の駅舎は1951（昭和26）年に建設された2代目なんです。大月市の中心部の大月駅からわずか1駅でこのローカルな雰囲気。駅舎の向こう側が2階建てになっているのは、かつて貨物列車の発着や、旅客列車のスイッチバックに伴う職員が多く詰めていたことを示すモノでしょう。が、残念ながら、現在は大月駅管理の無人駅となってしまいました。後々ご紹介する側線群を抜け、階段を上ると、1968（昭和43）年に供用が開始された、本線上のホームに出てきます。自立式駅名標はJR東日本初期の平仮名型です。このサイズ･･･国鉄形がはまっていましたね、おそらく。で、駅名標の後ろのフェンスは何かといいますと、26‰のカーブ上にホームが設けられたため、カントの都合上、上り1番線と下り2番線ではドアの高さが異なります。なものですから、1・2番線のホームの高さも階段1～2段分差が出てしまいました。都心で言えば、御茶ノ水駅の段差のあるホーム秋葉原寄りのようなものですね。で、上り1番線から大月方面を見ると、線路が何やら分かれています。これは、現ホーム供用前の旅客ホームは、駅舎方の水平なところを使ったスイッチバック駅だった名残です。ホームは大月方から甲府方面へ上り坂となっていることからお察しのとおり、開業当時は、ホームが本線上に設置できなかったんです。で、複線化のついでにスピードアップしちゃえ！　ってことで1968年に坂道の途中にホームを設置し、旅客列車のスイッチバックはなくなったんです。26‰の本線上にホーム設置というのは、当時極めて異例のことでした。客車ではなく電車だったから、当時の運輸大臣の特認を得た･･･らしいです。機関車牽引の客車や貨物列車を停止させて発車させるのは困難ですが、電車ならオーライですよね。中央本線の主力の機関車が旧型機のEF13から新型機のEF64に置き換えられたことも背景にあるとは思いますが･･･根拠はないです！同時に笹子、勝沼、韮崎、新府、穴山、長坂という、大月～小淵沢間のスイッチバック駅が、本線上にホームを移しています。が、初狩駅の線路群は今でも使っているスイッチバックですね、うん。1番線の大月方からスイッチバック駅だった名残の側線群を臨みます。写真右側の茶色い屋根が駅舎です。線のような構内踏切があり、写真左寄りの白い入口から現ホームに入って行きます。ホームへの連絡通路を後ろを振り返ると、さっきの写真では線のように見えた構内踏切があり、「線路を横断の際は電車にご注意ください」のステッカー。え、スイッチバックの遺構でしょ?ええ、そうなんですが、旅客列車のスイッチバックはなくなりましたが、総武本線・越中島支線の越中島貨物駅からレールを持ってきたチキや、工事・保線用車両と、砕石場に用のあるホキが、たまに移動するんです。一部の線路は定期的に列車が発着するためか、車輪に磨かれた状態でしたよ。ところで、構内踏切から見た側線群です。水平ですよね。で、ココだけ線路の間隔が不自然に開いていると思いませんか。ここ、もう何の痕跡もありませんが、旧旅客ホームがあったんじゃないかと思うんですけど。どうなんでしょう。あ、初狩駅、現役のスイッチバック設備があるというコトで、多くの方がブログやサイトでご紹介されています。触発されて行ってみましたが、なかなか雰囲気のあるいい駅でした。無人駅になったとはいえ、地元の方やハイカーが多く訪れる駅でもあります。「あずさ」「かいじ」でぴゅーんと通過するのもいいのですが、各駅停車で停まった際には、よく見てあげてくださいね。 close

中央本線・初狩駅～現役スイッチバック施設の見える駅！