いすみ鉄道が「い鉄」なら、こっちは「パー線」だぜ！の久留里線の終端駅、上総亀山駅にやって来たのコトですよ！木造平屋建ての駅舎、同じ久留里線の横田駅、馬来田駅、久留里駅に比べると、いま一つやっつけ感が漂っています。それもそのはず、久留里線と木原線（現在のいすみ鉄道線）を接続させて房…… more 総半島横断鉄道を建設する計画があったんです。が、1944（平成19）年に不用不急線として建設は凍結。さらに木原線の終点・上総中野駅で小湊鉄道が接続。木原線と久留里線を接続する意味もなくなり、中間駅になる予定だった上総亀山駅は終着駅となってしまいました。キハ35が到着していたころ、1990（平成2）年頃の上総亀山駅です。駅入り口の屋根に「上」「総」「亀」「山」「驛」と貼られています。現在はこの部分も外壁もリニューアルされて、こんな駅名標が付きました。2012（平成24）年の久留里線100周年（ただし木更津-久留里間）のキャンペーンに合わせてリニューアルしたのかな?1936（昭和11）年の上総亀山開業にあわせて建築された駅舎と推測されますが、鉄道財産票の類は見つかりませんでした･･･しかし一方、2012年3月といえば、上総亀山駅が無人化された時でもあります。正面のシャッターが窓口跡、左側の路線図があるところでは鉄道小荷物（チッキ）を扱っていたそうです。さらには度重なるダイヤ改正のたびに本数が減らされ、当駅訪問の際は、帰りの足を確保しないといけなくなりました。例えば･･･8：32上総亀山着、折り返し8：48木更津行きが発車した次の列車は、14：11上総亀山着、折り返し14：26木更津行きまでありません。近所には亀山ダムという観光地があるほか、数十件の民家などがありますが、食事できるようなところも、コンビニや雑貨屋の類も駅周辺にはありません。そんな本数がじわじわ減らされる影響か、1面2線だった駅構内は1面1線の棒線駅へと簡略化されました。写真左の駅舎から、構内踏切を通って細っこいホームにあがります。かつては、左側の線路が1番線、右側の線路が2番線でしたが、棒線化に伴い、右側の線路が1番線に変更されました。ま、番線の案内はないんですけどね！久留里線は、ラッシュ時やハイキングなどの行楽シーズンには最大4両編成で運転されますが、上総亀山駅のホームは2両分。ホームの先に3両、4両の停止行き表示があります。その向こうには車止めが見えます。終端駅というコトを強く感じさせるアイテムですね。枕木を2本乗せた車止めでした。ホームの真新しい駅名標も、来ない列車をひたすら待ち続けているようです。右側の白っぽい建物が上総亀山駅の駅舎、そこから構内踏切を経てホームに至ります。左側の線路は、かつて機回し線として使われていました。旧1番線、機回し線とも、真ん中の1番線の線路とつながっていた分岐器はすでに撤去され、完全な棒線駅となっています。もはや飾りと化した旧1番線の線路が草に埋もれてしまっています。かつては房総横断路線としての使命が課された駅であり路線であったのですが、徐々に存在感が薄れているかのようです。まったくの余談ですが、千葉県で最も標高の高いところにある駅なんだそうですよ。標高実に･･･99メートル！久留里、木更津方面を臨むアングルで撮ってみました。右側の旧1番線、左側の機回し線は、すっかり飾りと化しています。いずれ撤去されて、面影をたどることも難しくなるんでしょうね。木原線（いすみ鉄道線）の上総中野駅までは、約10キロ。遠い遠い、10キロなのでした。 close

久留里線・上総亀山駅～山を越えられず、終端駅と夢の跡