JR各社が、2020年3月14日に実施するダイヤ改正の概要を発表しました。JR東日本の伊豆特急「サフィール踊り子」デビューや、JR北海道の快速「エアポート」大増発といったトピックがありますが、全体的には小幅なダイヤ改正となりました。その中でも、鉄道旅行派、乗り鉄にとって気になるポ……
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イントをピックアップしてご紹介します。
2020年3月14日、JR各社がダイヤ改正を実施!
伊豆方面へ特急「サフィール踊り子」デビュー! 一部の「踊り子」はE257系で運転!
E261系で運転! 特急「サフィール踊り子」がデビュー!
スーパービュー踊り子は運転取りやめ、一部「踊り子」はE257系での運転へ!
快速「エアポート」大増発! 札幌圏の輸送体系を大幅変更へ
快速「エアポート」毎時5本化、32本の大増発へ、一部は特別快速も!
区間快速「いしかりライナー」は各駅停車化、全体では減便へ
中央本線のダイヤ調整、「富士回遊」増発、「あずさ」停車駅拡大
特急「富士回遊」1本を増発、千葉発の「富士回遊」が誕生!
特急「あずさ」の停車駅を拡大!
千葉発南小谷行き「あずさ」が消滅、大糸線直通の「あずさ」が変更へ
磐越西線 快速「あいづ」で指定席を導入!
東海道新幹線・東北新幹線で増発! 東海道新幹線は「のぞみ」毎時12本ダイヤへ!
東海道新幹線はN700Aに統一で「のぞみ」毎時12本運転へ!
東北新幹線「はやぶさ」を3往復増発!
「高輪ゲートウェイ」「御厨」開業、JR北海道は2駅が廃止に!
常磐線全線運転再開&仙台直通特急運転開始の発表は後日に
2020年3月14日、JR各社がダイヤ改正を実施!
JR各社は、2020年3月14日(土)にダイヤ改正を実施することを発表しました。
以下、各社のニュースリリースへのリンクです。PDFファイルが開きます。
JR北海道 - 2020年3月ダイヤ改正について
JR東日本 - 2020年3月ダイヤ改正について
JR東海 - 2020年3月ダイヤ改正について
JR西日本 - 2020年春ダイヤ改正について
JR四国 - 2020年3月ダイヤ改正について
JR九州 - 新型車両を投入し、通勤・通学をより快適にします ダイヤをよりわかりやすく利用しやすくします
伊豆方面へ特急「サフィール踊り子」デビュー! 一部の「踊り子」はE257系で運転!
今回のダイヤ改正では、JR東日本の東海道線 伊豆方面の特急列車が大きく変わります。
E261系で運転! 特急「サフィール踊り子」がデビュー!
(出典)特急「サフィール踊り子」号|JRで行く、伊豆の旅行|JR東日本 伊豆・箱根・湯河原
東京から伊豆方面への特急「サフィール踊り子」がデビューします。新たに製造されたE261系で運転されます。
「サフィール踊り子」のダイヤも発表されています。定期列車として1日1往復、臨時列車としてさらに1往復が予定されています。東京発着の列車だけでなく、土休日には新宿発の臨時列車も運転されます。
列車名
運転区間・時刻
備考
下り
サフィール踊り子1号
東京 11:00発 → 伊豆急下田 13:29着
定期列車
サフィール踊り子3号
東京 12:30発 → 伊豆急下田 15:30着
臨時(平日)
サフィール踊り子5号
新宿 12:25発 → 伊豆急下田 15:30着
臨時(土休日)
上り
サフィール踊り子2号
伊豆急下田 14:12発 → 東京 16:49着
定期
サフィール踊り子4号
伊豆急下田 16:30発 → 東京 19:20着
臨時
「サフィール踊り子」は全席がグリーン席以上のグレードの高い特急列車ですが、料金体系も発表されました。
設備
~100km
~200km
伊豆急行線内
グリーン席(5~8号車)
1,050円
2,100円
780円
プレミアムグリーン席(1号車)
2,550円
3,600円
1,600円
4人用個室(2~3号車)1室あたり
8,400円
8,400円
3,120円
6人用個室(2~3号車)1室あたり
12,600円
12,600円
4,680円
※グリーン個室(4人用・6人用)は1室あたりの料金で、距離には依存しない固定料金
東京~伊豆急下田間の全線に乗車した場合の料金は、以下のようになります。
設備
料金
グリーン席
9,000円3,960円5,040円
プレミアムグリーン席
10,910円3,960円6,950円
4人用個室4名利用1名あたり
9,000円3,960円5,040円
6人用個室4名利用1名あたり
9,000円3,960円5,040円
(参考)スーパービュー踊り子指定席
6,760円3,960円2,800円
(参考)踊り子指定席
6,370円3,960円2,410円
※上段(太字):合計、中段:運賃、下段:グリーン料金または特急料金(いずれも東京~伊豆急下田間)
今回新たに導入される「プレミアムグリーン席」を利用すると、1万円を超えてしまいます。グリーン席との差額でも2,000円近くあります。プレミアムグリーン席は、横2列(1+1列)となっていて、通常のグリーン席(1+2列)に比べるとかなりゆったりとしています。
スーパービュー踊り子は運転取りやめ、一部「踊り子」はE257系での運転へ!
「サフィール踊り子」のデビューに伴い、「スーパービュー踊り子」は運転を取りやめます。
スーパービュー踊り子は、定期列車(平日)として、首都圏~伊豆急下田間で3往復が運転されています。
下り
新宿 → 伊豆急下田 1本
東京 → 伊豆急下田 2本
上り
伊豆急下田 → 池袋 1本
伊豆急下田 → 東京 2本
今回発表されたサフィール踊り子のダイヤでは、定期列車は東京~伊豆急下田間の1往復のみですので、伊豆方面へのグレードの高い特急列車の運転本数は減ることになります。
その分、踊り子号が増発されるのかは、正式なダイヤの発表を待つ必要があります。
また、踊り子号の一部列車は、E257系で運転されることも発表されました。185系の踊り子号も引き続き運転されますが、E257系の改造も進んでいますので、徐々に185系からE257系に置き換わることが予想されます。今回のダイヤ改正のタイミングでは、全車両を置き換える改造が済んでいない、ということだと思われます。
快速「エアポート」大増発! 札幌圏の輸送体系を大幅変更へ
JR北海道は、札幌圏の輸送体系を大幅に変更します。変更のポイントは、
快速「エアポート」を毎時5本化(32本増発)
区間快速「いしかりライナー」をすべて各駅停車化
の2点です。
快速「エアポート」毎時5本化、32本の大増発へ、一部は特別快速も!
新千歳空港と札幌・小樽を結ぶ快速「エアポート」が大幅に増発されます。
これまで、毎時4本(15分間隔)での運転でしたが、毎時5本(11~14分間隔)の運転となり、上下合わせて32本もの大増発となります。
快速「エアポート」は、新千歳空港~札幌の主要なアクセス手段ですが、訪日外国人の増加で、いつ乗車しても混雑しています。大きな荷物を持った外国の方が、狭い車内で窮屈そうにしているのを見ると、もうちょっと何とかならないのかな、と思っていましたが、こういった状況も多少なりとも改善されそうです。
また、朝時間帯の上り(新千歳空港行き)と、夜間帯の下り(札幌行き)の各2本が、南千歳、新札幌のみ停車する「特別快速」となります。
区間快速「いしかりライナー」は各駅停車化、全体では減便へ
岩見沢・江別~札幌~手稲・小樽を結ぶ区間快速「いしかりライナー」は、今回のダイヤ改正で全て各駅停車化されます。これまでいしかりライナーが通過していた各駅での乗降客が増えてきたことへの対応とのことです。
区間快速いしかりライナーの廃止により、これまでいしかりライナーが通過していた駅では増発となりますが、全体としては減便となります。
日中時間帯(11時台~14時台)では、以下のようになります。
方面
ダイヤ改正前
ダイヤ改正後
札幌→江別方面
毎時5本
毎時4本
札幌→手稲方面
毎時8本
毎時7本
他の時間帯も、ラッシュ時を除いて全体的には毎時1本程度の減便となっています。
利用状況に合わせての改正ということですが、快速エアポートの増発と合わせたときに、全体として減便になるのかが気になります。もしJR北海道で唯一黒字となる札幌圏でも減便せざるを得ないのだとすると、なかなか厳しい状況だと思います。
中央本線のダイヤ調整、「富士回遊」増発、「あずさ」停車駅拡大
2019年3月のダイヤ改正で特急列車の運行体系を大幅に変更した中央本線の新宿~甲府・松本間ですが、今回のダイヤ改正でも調整が行われています。
特急「富士回遊」1本を増発、千葉発の「富士回遊」が誕生!
2019年3月のダイヤ改正で登場した、富士急行線直通の特急列車「富士回遊」が1本増発されます。
下り「富士回遊3号」: 千葉 06:28発 → 新宿 07:30発 → 河口湖 09:21着
上り「富士回遊44号」: 河口湖 16:51発 → 新宿 18:42着
増発される「富士回遊」は、下りのみ千葉駅発となります。これまで「富士回遊」は新宿発着でしたから、千葉発の富士回遊が初めて誕生することになります。
また、増発される「富士回遊」は、千葉・新宿~大月間で、下りはあずさ3号、上りはあずさ44号と併結して運転されます。
「富士回遊」は、毎日のように臨時列車が設定されていました。それだけ人気の列車だということですから、増発も妥当なものなのでしょう。
特急「あずさ」の停車駅を拡大!
2019年3月のダイヤ改正で、大幅に停車駅を減らした「あずさ」ですが、今回のダイヤ改正では、停車駅が拡大されます。
新たに停車駅が追加される列車は以下の通りです。
下り(松本方面行き)
あずさ3号: 塩山、山梨市、石和温泉
あずさ43号: 富士見、下諏訪
あずさ49号: 韮崎、富士見、下諏訪
あずさ55号: 塩山、山梨市、石和温泉
上り(新宿方面行き)
あずさ6号: (小淵沢通過)
あずさ10号: 塩尻、岡谷、下諏訪、富士見、小淵沢、韮崎
あずさ16号: 下諏訪、富士見、石和温泉、山梨市、塩山
あずさ42号: (韮崎通過)
あずさ44号: 下諏訪、富士見、石和温泉、山梨市、塩山
上り列車の小淵沢駅、韮崎駅は、停車する列車が一部変更になります。
2019年3月のダイヤ改正では、塩山、山梨市、石和温泉ですべてのあずさが通過、富士見、下諏訪では停車するあずさが大幅に減らされてしまいました。
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これに対して、各駅周辺の自治体は、JR東日本に停車駅の見直しを要望していましたが、今回のダイヤ改正では、特に午前中と夕方の「あずさ」で停車駅の拡大が図られています。出張や旅行に利用しやすい時間帯の「あずさ」の停車駅を増やして、沿線の要望に応えたということでしょうか。
千葉発南小谷行き「あずさ」が消滅、大糸線直通の「あずさ」が変更へ
「あずさ」の停車駅の見直しだけでなく、大糸線に直通する「あずさ」も変更になっています。
ダイヤ改正前
ダイヤ改正後
下り
あずさ3号千葉 06:38発 → 南小谷 11:42着
あずさ5号新宿 08:00発 → 南小谷 11:56着
上り
あずさ26号南小谷 14:22発 → 新宿 18:36着
あずさ46号15:01発 → 新宿 19:06着
これまで、千葉発南小谷行きという5時間を超える長距離の「あずさ3号」がありましたが、今回のダイヤ改正で消滅します。代わりに、新宿08:00発の「あずさ5号」が南小谷へ直通することになります。
ちなみに、今回のダイヤ改正で、「かいじ」「あずさ」の列車番号が統一されています。上りの列車番号が大きく変わっているのはそのせいですね。
磐越西線 快速「あいづ」で指定席を導入!
磐越西線(郡山~会津若松)に指定席着席サービスを導入することは、既に発表されていました。
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今回のダイヤ改正で、列車名称が「あいづ」であること、指定席を導入する列車とダイヤ、料金が発表されました。
列車名称: 快速「あいづ」
車両: E721系(1編成) 指定席14席(リクライニングシート)
料金: 530円(閑散期330円)
指定席が導入される快速「あいづ」のダイヤは以下の通りです。
列車
両数
運転時刻
下り
あいづ1号
4両
郡山 10:41発 → 会津若松 11:50着
あいづ3号
4両
郡山 15:45発 → 会津若松 16:50着
あいづ5号
2両
郡山 19:48発 → 会津若松 20:56着
上り
あいづ2号
2両
会津若松 09:09発 → 郡山 10:11着
あいづ4号
4両
会津若松 14:13発 → 郡山 15:19着
あいづ6号
4両
会津若松 17:10発 → 郡山 18:15着
磐越西線の郡山~会津若松間に3往復の快速「あいづ」が運転されます。
東北新幹線との乗り継ぎで利用しやすいのは、あいづ1号(郡山10:41発)と、あいづ4号(郡山15:19着)、あいづ6号(郡山18:15着)でしょうか。
指定席の利用状況が好調ならば、さらにもう1編成追加、ということになるのかもしれませんね。
東海道新幹線・東北新幹線で増発! 東海道新幹線は「のぞみ」毎時12本ダイヤへ!
東海道新幹線と東北新幹線では増発が実施されます。
東海道新幹線はN700Aに統一で「のぞみ」毎時12本運転へ!
東海道新幹線の列車を、最高速度が285km/hの「N700A」に統一することで、「のぞみ」を毎時12本運転できるダイヤになります。
のぞみ12本ダイヤ(東京発時分)
00, 09, 12, 18, 21, 24, 30, 39, 42, 48, 51, 54
現行ののぞみ10本ダイヤ(東京発時分)
00, 10, 13, 20, 23, 30, 40, 47, 50, 53
※太字は定期列車、細字は臨時列車
厳密には「増発」ではないのですが、臨時列車を含めて、最大で運転できる本数を増やすダイヤ改正となります。
「のぞみ」だけで1時間に12本。これ以外に、「ひかり」「こだま」各2本が加わりますので、最大で1時間に16本(!)もの新幹線を運転できるダイヤになるということです。
東北新幹線「はやぶさ」を3往復増発!
東北新幹線では、「はやぶさ」が3往復増発されます。さらに、東京発仙台行きの「はやぶさ」1本が、新青森行きに変更となります。
増発される「はやぶさ」は以下の通りです。
下り
はやぶさ3号: 東京 07:00発 → 新青森 10:15着
はやぶさ29号: 東京 14:28発 → 新青森 17:41着 → 新函館北斗 18:40着
はやぶさ33号: 東京 15:28発 → 新青森 18:43着 → 新函館北斗 19:47着(※仙台~新青森間増発)
はやぶさ37号: 東京 16:28発 → 新青森 19:41着
上り
はやぶさ12号: 新青森 08:29発 → 東京 11:44着
はやぶさ20号: 新青森 11:20発 → 東京 14:32着
はやぶさ36号: 新青森 16:17発 → 東京 19:32着
いずれも、これまでの臨時「はやぶさ」を定期列車化したものですが、3往復も「はやぶさ」を定期列車化するのですから、よほど利用状況が好調なのでしょう。
「高輪ゲートウェイ」「御厨」開業、JR北海道は2駅が廃止に!
今回のダイヤ改正で、新たに開業する駅、廃止されてしまう駅は以下の通りです。
新たに開業する駅
高輪ゲートウェイ駅(JR東日本 山手線・京浜東北線 田町~品川間)
御厨(みくりや)駅(JR東海 東海道線 袋井~磐田間)
廃止される駅
古瀬駅(JR北海道 根室本線)
南弟子屈駅(JR北海道 釧網本線)
駅名が話題になった「高輪ゲートウェイ」ですが、山手線、京浜東北線のすべての列車(快速含む)が停車します。
一方、JR北海道では、利用客の少ない古瀬駅と南弟子屈駅が廃止されます。
JR北海道では、上記の2駅以外にも、平均乗降客数が3名より少ない29駅について、沿線自治体が駅の維持管理費を負担するか、廃止するかを求めているという報道もあります。
www.hokkaido-np.co.jp
前回のダイヤ改正では3駅が、今回のダイヤ改正では2駅の廃止が決まりましたが、来年以降、さらに廃止される駅が増えそうです。
常磐線全線運転再開&仙台直通特急運転開始の発表は後日に
東日本大震災の原発事故の影響で運転を見合わせている常磐線の富岡~浪江間の運転再開が2019年度末に予定されていますが、今回のダイヤ改正の発表では、運転再開日の発表はありませんでした。
富岡~浪江間の設備面での復旧工事はほぼ完了しており、JR東日本は12月18日から試運転を実施すると発表しています。
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一方、運休区間のうち、夜ノ森駅周辺は帰還困難区域に指定されており、常磐線の運転再開に合わせて、一部地域の避難指示を解除する予定になっています。ただし、現時点では、避難指示を解除する日時は発表されていません。
試運転列車の運転で設備面での問題がないことを確認したうえで、避難指示の解除と歩調を合わせて、運転再開日が発表されることになりそうです。
同時に、品川~仙台間を直通する特急列車の詳細も発表されるものと思われます。
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以上、『2020年JRダイヤ改正ポイントまとめ! 特急「サフィール踊り子」デビュー、快速「エアポート」大増発など札幌圏の輸送体系見直しが2大トピック!』でした。全体としては小幅なダイヤ改正となりましたが、新たな特急列車のデビューは楽しみですね。
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2020年JRダイヤ改正ポイントまとめ! 特急「サフィール踊り子」デビュー、快速「エアポート」大増発など札幌圏の輸送体系見直しが2大トピック!